第2話〜その姿非常に情けなし〜

「う、うぅ。あんまりだぁ…」


と、嗚咽混じりに情けなく泣き喚く。それもそうだろう。先ほど、我は配下から裏切られ、城からも追い出され、財産もちょびっとしかない魔王…いや、魔王もどきに成り下がってしまったのだから。我に残されたのは鍛えた己の力のみ。そんな我に世界を滅ぼすなんて気がおきるわけもなく、集落などにすがれるわけもなく、1人悲しく泣きながら途方もなく歩く。しかし、どのくらいたったのかはわからないが、ずっと泣が喚いていたが故に、疲れてしまい、近くの木陰で休むことにした我だったのだった。


〜しばらくして〜


「…ねぇ。…ねぇ!」


と言う声に目が覚める。辺りは日が落ちかけだった。そして、目の前には幼い人間の子がいた。


「あっ!起きたぁ。おじさん!こんな所で寝てたら危ないよ」


「…あぁ。大丈夫だよ。気にしないでくれ」


「大丈夫じゃないよ!おじさん。さっきまでずっと泣いてたのに」


と、何処のやつかも分からない奴にそんなことを言われる。悲しさがMAXだった故か、周りが見えていなかったのか。我の恥ずかしい姿を見られてたのか。いや、そんなことはいい。それよりもどうして、こんな小さな子がこんな時間まで1人でいるのだろう。と、我は、城に住んでいた時に見た、配下の子供くらいの奴に問いかけた。


「きさ…いや、小娘、どうしてこんな時間までこんなところに?」


「…お母さんと喧嘩した」


成程。そういうわけか。大体喧嘩して出ていったら、ってことか。え?じゃあなんでこいつ堂々と我に話しかけてるんだ?我仮にも元魔王ぞ?結構名が知れ渡ったていると思っていたがな…まぁ、いいか。それよりも、我が此奴の面倒なんて見たくも無いからなと思い、取り敢えず帰宅するように諭すことにした。


「あ、あぁ。成程な。だが、だからと言ってこんな時間にこんなところまで来ては危ない。危険な目に遭うまでに家に帰れ、その、近くまでなら、連れていってやる」


我でも何言ってるだろうと思った。脅威として知られている我が集落にきたら、誘拐としか思われじゃないか…と思った。


「嫌だ!お母さんが悪いもん!私許さない!だから帰りたくなんてない!」


えぇ。こりゃ困った。てかもう夜じゃねぇか。まずい。今此奴が倒れてしまったら…と最悪の事を考えていると…


「グ、グルル、グルル!」


と、その最悪に近づく音が聞こえるのだった。


作者より

またまたこんにちは。ゆっくりミールです!今回は投稿頻度について話していきます!投稿頻度ですが…なんと…出来次第です。はい。くっそ適当ですね。だから、毎日の時もあれば開く時もありそうです。一ヶ月遅れなどは多分ないと思いますが、ある時はまた報告させていただきます!できる限り早くの投稿を目指しますので今後ともよろしくです!


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2024年12月12日 21:00

魔王でしたが、世界を滅ぼすつもりが、ほとんど失って実行不能になったので、ヒーローを目指すことにしました。 ゆっくりミール @carkurumazuki

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