第5話 話されない真実

「君に…実験体になってほしい。」


「...はい?」


なんとなく察してはいた。だけどいざとなると奥手になってしまう。それだけではない。安全性やどんな風に実施するかも気になるし、そもそも俺がそんな力を上手く扱える自信もない。


「君が...君が唯一の適合者ピースなんじゃ!!!」


「…わかりました。やってやります。」


覚悟を決めた。まだよくわからないけどきっと、どんな人生を歩もうと何もないなんてことは絶対にない。だからこそ受ける。

早速健康診断・身体検査があるらしく、別室に呼ばれる。


モニタールームでは...


「博士、本当にいいんですか彼で。」


森宮が冷静さを保ちつつ声を荒げる。


「いい。彼は…本当に唯一の適合者ピースなんじゃ。」


「でも…不安です。筋肉量が劣っていて体重も軽い、全体的な身体環境フィジカルが…」


「いいんじゃ。」


荒原は声を強くして言い放つ。だが森宮も言葉を吐く。


「でもせめて言うべきだと思います..."我々が送り先を間違えたこと"」



「・・・。」


荒原は黙る。静寂が続く一室の中、研究員が来る。


「すいません、荒原さんちょっと...」


「うむ。」


荒原はモニタールームを出ていってしまった。

森宮は検査室に向かい、康文のもとへ行った。

康文は検査を終え、森宮から説明を受ける。



続く

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Gemxect × ゲノセクト 田村ひさし @Tamura_1008

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