間違いなく、イヤミス要素も入っていて極上です。描写や文章レベルが高く、読みやすいです。そして時代はさまざま、愛憎劇を楽しみたい。なかなかの暗さと黒さです、読む方はホラー大丈夫でないといけません。愉しめる人でないと、いけません。でも、悲しさも切なさもあります。全力でおすすめします。
短編連作集ではあるが、どの作品も昭和以前の村社会の田舎の因習のようなものを背景に感じる。この作者の描き出す先には、江戸川乱歩、横溝正史につらなる未来があるかも知れない。考えさせらるものがある面白い作品でした。オススメです。
本当にあったかもしれないお話と解説に書いているが、確かに作り話のようでもあり、本当にあったかもしれないお話。狂気を孕む男女の愛憎劇で、読んで気持ちのいいものではない。実際、読んで後悔、アンハッピーというタグを見て躊躇した。しかし、読み始めると、最後まで読みたい気持ちを抑えられない。やめられなくなる。これは、誰に対する優しさなのか。いや、優しさとは何か。怖い、悍ましい、そして物悲しい秀作です。読んでみてください。
愛情の位置がわかるようなわからないような物語。というよりも、わかってはいけない物語。だが、狂気というにはあまりに別れに際して気遣いが物悲しい。大変よろしいと思います。