類は友を呼ぶ

解体業

類は友を呼ぶ

 とある居酒屋の一室で五人の男たちが話をしていた。


阿藤「ところでさ、最近フィルターバブルって言葉、よく聞くよな。あれ、結局自分の信じてる情報しか見ないで、偏った世界に閉じ込められてる状態なんだけど、知ってる?」


加藤「ああ、知ってる」


佐藤「俺も知ってるぜ」


多島「SNSとかでよくあるやつだろ」


名藤「検索アルゴリズムの影響らしいな」


阿藤「みんな知ってるのか、よかった。俺ちょっと思ったんだけどさ、あれ、本当に馬鹿げてると思わない?自分の好きな意見しか見ないなんて、どんだけ頭悪いんだって話だよな」


多藤「確かにな。でも、あいつらがそれに気づかないのが一番問題だよな。自分たちが正しいって信じて疑わないし、周りの意見を全然聞かない」


加藤「そうそう。しかも、あいつらって自分たちが偏ってることにすら気づいてないんだよな。滑稽だよな、ほんと」


佐藤「その結果、極端な意見ばかりに偏るっていう。でも実際ネットでそういうの見てると、どんどん自分もそっちに引き込まれるんだよな」


加藤「そうだな。俺は、あんまりネット見ないようにしてるけど、見てる人たちの世界観がもうヤバいよな。極端な発言ばかりで、まるで洗脳されてるみたい」


阿藤「まあ、確かにそうだよな。あいつらの考え方がどれだけ狭いか見てると、呆れるよ」


佐藤「だよな?俺なんか、もうフィルターバブルの話題を見るたびに笑っちまうよ。『自分たちは正しい』って信じ込んでるだけのクズどもが集まってるだけだもんな」


名藤「俺はそこまではいかないな。ただ、フィルターバブルの中で生きてる奴らって、自分の意見をまるで絶対の真理みたいに扱ってるからな。そんな奴らにまともな議論なんて無理だよ」


多藤「でもさ、俺たちも言ってるだけで、結局どうにかしないと意味ないよな。最近、ネットの影響が現実にも表れるようになってきたし。非現実で暴れてるだけじゃなくなって現実への影響力が増してるってことだろ」


佐藤「その通りだ。無視しててもいいレベルの話じゃない。あいつらの考えが広まったら、社会が崩壊するぞ」


加藤「そもそも、あいつらにネットを使わせること自体が問題だよ。あんなバカみたいな情報ばかり見てる奴らが、ネット上にいなければ、少なくとも影響は減るだろう」


阿藤「それでも足りないよ。もっと徹底的に排除すべきだ。そういう奴らが増えすぎると、マジで社会がダメになる」


多藤「排除か…。そういえば、あいつらって、すでに社会全体に影響を与えてるよな。選挙とかもそうだし、政治の議論がめちゃくちゃになってる」


加藤「そうだよ。だって、あいつらがどんどん大きな声を出して、間違った情報を広めてるんだろ?あんな連中に、選挙権なんか与えたくないよ」


佐藤「まさに。選挙なんて、フィルターバブルにハマった奴らに乗っ取られるだけだろ。あんなの、もう実質的に自分たちの社会じゃなくなるってことだよ」


加藤「それでも、まだネットで広めるレベルじゃ甘いよ。もうあいつらは、リアルでも社会に出てきてるわけだから、完全に隔離しなきゃダメだよ。どんな手段使ってでも」


阿藤「隔離?いや、隔離なんて生ぬるいよ。排除、あるいは絶滅させるべきだよ。だって、あんな連中が増えていくと、最終的に社会が崩壊するんだから」


名藤「確かに、あいつらのせいで社会が悪化してるのは事実だ。でも、今のはちょっと極端じゃないか?」


佐藤「極端?何言ってんだよ、田中。むしろ甘すぎるだろ。あいつらがどれだけ害を撒き散らしてるか分かってんのか?」


加藤「そうだぞ。あいつらがいるせいで、まともなやつらがどれだけ迷惑してると思ってるんだ?田中、お前、まさかあいつらを擁護する気じゃないよな?」


名藤「擁護してるわけじゃない。ただ、追放とかはやりすぎだと思うんだよ」


阿藤「やりすぎ?名藤、お前、何か勘違いしてるんじゃないか?俺たちが言ってるのは、あいつらを黙らせて、社会を良くしようって話だぞ」


多藤「だよな。名藤、お前のその中途半端な態度が一番危ないんだよ。フィルターバブルにハマってるやつらをそのまま放置しておいて、何が変わるって言うんだ?」


佐藤「名藤、お前、正直に言えよ。お前、本当はあいつらと同じ考えなんじゃないのか?」


加藤「そうだな。お前、いつも俺たちの話に同調してるふりして、本当は違うこと考えてるんだろ?」


阿藤「名藤、はっきり言ってくれよ。俺たちを裏切るのか?」


加藤「そうだ。俺たちが正しいって分かってるなら、ちゃんと従えよ。お前、ここにいる資格ないかもしれないぞ」


名藤「……分かったよ。俺はもう黙るよ。好きにしろ」


佐藤「やっぱりな。名藤、お前とはもう話すことはないな。俺たちだけで十分だ」


加藤「やっぱり名藤みたいなやつは邪魔だった。これでスッキリした」


多藤「だな。名藤がいなくなって、ようやくまともな議論ができるようになったな」


阿藤「そうそう。やっぱり俺たちが正しいんだよ。これからも、ああいう奴らを叩き潰していかないとな」


佐藤「その通りだ。フィルターバブルの中で生きている奴らなんかが、俺たちの未来を潰さないように、徹底的にやるべきだよな」


加藤「そうだよな。結局、俺たちがリーダーシップを取って、社会を正さなきゃダメだよ。どうせ、あいつらは何も理解しないんだから、俺たちがガツンとやらないと」


多藤「俺たちはちゃんと考えて行動してるけど、あいつらにはそれができない。なんていうか、知能が足りてないんだよな」


阿藤「そう。俺たちみたいなまともな人間が社会を変えるべきなんだ。あいつらみたいな無知な連中を、黙らせるために俺たちが動かないと」


 奇妙なことに、名藤を排除した後のその場には、ただ彼ら自身の声だけが反響していた。

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