ホワイトハウス襲撃
「パチ、パチ、パチ、パチ。」
その日の夜、飛行機で、ジェームズは誇らしそうに拍手した。
「いやー、お見事だよ君たち!」
彼は嬉しそうにメンバーたちを褒めた。
「ありがとうございます、ジョンソン大統領。」
メンバーたちも、褒められたことに感謝した。
「今日はもうゆっくり休んで、明日からまた頑張ろう。」
ジェームズは言った。
そして彼らはワシントンD.C.にある、ホワイトハウス周辺のホテルに泊まった。
一方、トロントにある10基地では、製品番号1から10が、エドワーズ空軍基地が爆破されたことを受け、逆襲計画を立てていた。
その内容は、ホワイトハウスを襲撃することだった。
理由は、エドワーズ空軍基地を攻撃したあの謎の組織を結成したのは大統領の仕業だろうとロボットたちが推測したためである。
そして深夜0時頃、10基地から100体の改良された大量殺人飛行ロボットたちはトロントを飛び立ち、ワシントンD.C.へ向かった。
一方、その頃トロント・ピアソン国際空港管制塔では、騒ぎが起こっていた。
「大変です、トランブレー管制長!レーダーに謎の飛行物体が100体ほど表示されています!」
ある管制官の男性が管制長に報告した。
「何、100体もだと!?方角は?」
管制長は驚いた。
「北北西です。」
彼は言った。
「便号は書いていないのか。」
管制長が聞いた。
「はい、何も。」
管制官は、深刻そうに言った。
「するとそれらはどこかの国のミサイルじゃないのか。」
管制長は推測した。
「いや、これは最近アメリカでたびたび事件を起こしている大量殺人ロボットですよ。」
副管制長が言った。
「いやそれはさすがにないだろ。しかもなぜわざわざトロントから出発する必要がある?」
管制長が半分冗談を聞いているかのように言った。
「いや、あります。おそらくアメリカでは最近ロボット・ファイターズが結成され、警備が強化されているため、ロボットたちにとって、基地をつくるのには相応しくない場所です。しかし、カナダの軍事力はアメリカほど強くないため、ロボットの基地はたてやすい上、トロントからワシントンD.C.までわずか350マイル(560キロ)しか離れていないため、アメリカへの攻撃には最適な場所です。しかも、ワシントンD.C.から見たトロントの方角は北北西です。なので、このことをいち早くカナダ国防省と、アメリカ国防総省に伝えるべきです。」
副管制長は言った。
「分かった、今すぐ電話をかけよう。」
管制長はそう言って、受話器を取った。
その時だった。
「そうはさせんぞ。」
窓から製品番号12が顔を出した。
「どうしてここに?」
管制長が怖くて仕方なさそうに言った。
「お前たちがレーダーで監視していることはもうお見通しだ。だから私は管制塔の死角を使って、ずっとお前たちの話を聞いていたのだ。大丈夫、他の空港でも別のロボットが同じことをするからせいぜい安心しな。」
12はそう言って窓を銃撃し、割った。
「バババババン、パリーン!」
「ギャー!!」
そして12は中に入り、その場にいる人を残らず射殺した。
「バババン、バババババン!」
「バタン、バタン、バタン。」
それから次々と人が倒れていき、ついには全員殺されてしまった。
するとロボットは何とも奇妙なロボット特有の笑い声をして、こう呟いた。
「それにしても、人間っていう者は本当に愚かだなぁ。」
そして12も、ホワイトハウスへ向かった。
一方、その頃ホワイトハウスの大統領執務室ではジェームズと、ベンジャミン・ウィリアムズ副大統領が、呑気に会話を楽しんでいた。
「ハハハハハ!」
「この前さー、宇宙大戦ていう映画をうちの息子と見たんですけど、あの映画のエイリアンが出てくるシーンで、息子が怖すぎて泣きだしちゃって、ハハハ!それで映画館の外であやしていたらもう戻った時にはエンドロールが流れていて、ちゃんと見れませんでしたよ。」
ベンジャミンが笑いながら失敗談を語った。
「いやー私もこの前フロリダにあるユニバに行った時、レストランでハンバーガーを食べているうちの妻を見て、褒めているつもりで「最近よく食べてるから太ったね。」って言ったら妻が怒り始めて、ハハ!それで二日間も口を聞いてくれませんでしたよ!まあその後仲直りしましたけど!」
ジェームズも笑いながら語った。
それから二人は笑った。
「ハハハハハハ!」
するとメアリーがこっちに向かって駆けつけ、思いっきり執務室のドアを開け、大声で話し始めた。
「大変です、ジョンソン大統領!100体ほどのロボットたちが飛行し、私たちの方へ向かっています!」
「分かった、今すぐロボット・ファイターズを呼ぶ。」
そしてジェームズはルーカスに電話をかけた。
「タラタッタ、タッタッタッタッタ。」
「グー、グー。」
ホテルの部屋でいびきをかいて寝ているルーカスの隣りで、ルーカスの携帯が鳴った。
そして、ルーカスは目を覚ました。
「もしもし、こんな夜遅くにどうされましたか?」
ルーカスは、目を細めて言った。
「もしもし、私はジェームズだ。今、ロボットたちがこっちへ来て、逆襲しようとしている。私たちは避難するから、君たちはすぐに代表5人と他のメンバー200人、後は消防隊を集まてこっちに来てくれ。」
ジェームズは落ち着いた様子で言った。
「分かりました、すぐ来ますね。」
ルーカスは早口で言った。
「よろしく頼んだぞ。」
ジェームズはそう言って、電話を切り、逃げようとした。
しかし、もう遅かった。
上空でロボットたちは、ホワイトハウスを取り囲んでいたのだ。
「バーン!ギャー!!バーン!」
ロボットたちは爆弾を落とし、ホワイトハウスはあっという間に炎に包まれた。
まさに地獄のようだった。
一方その頃、ロボット・ファイターズのメンバー200人と、コロンビア特別区消防隊は、全速力でホワイトハウスに向かっていた。
A.I. 世界征服 Kei1121 @Kei1121
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