第6話 私は超お強いみたいですわ!


「はは、いいざまね!ソフィアさん、あなたのお陰でにっくきあいつらに一泡吹かせることができたわ!それにしてもソフィアさん、物凄いステータスですね!もしかして冒険者になられる前はどこかの国の騎士様だったとかですか?」


 リンネさんは満面の笑みで、凄く食い気味に私に話しかけてきていますわ。


 そして、件の二人は私の横で泡を吹いてぶっ倒れていますわ。


「Lv334……な、俺の物攻関係ないやろ……」


 何かぶつぶつとつぶやいていますわ。


 どうしてこのような状況になっているかというと、少し時間は遡りますわ。



 私が水晶に触れると、昨日見たようなステータス画面が表示されましたわ。ですが、スキルやユニークスキルについての欄がないため、水晶で見ることができるのはステータス値までのようですわ。



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【名前】  ソフィア・ユグレシア

【種族】  人

【性別】  ♀

【年齢】  16歳


【LV】  334 

【HP】  6760/6760

【MP】  5095/5095


【物攻】  1019

【魔攻】  1685

【物防】  1362

【魔防】  692

【俊敏】  678


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「どれどれ、どんな貧弱ステータスか拝んでやろうじゃねーか!何々Lv334か、へ、どんなもんかと思ったらたったのLv334か……334だと!?」


「Lv334ってゴードンさんの物攻のステータス値と同じじゃないかでやんす!そしてこの女の物攻のステータス値は1019でやんす!ゴードンさんとは比べ物にならないくらいの化け物でやんす!」


「なっ、俺様の物攻関係ないやろ!というか何でこんな化け物が新人の冒険者やってるんだよ!聞いてねーぞ!」


 お二人の会話を聞いていると、どうやら私のLvやステータス値は凄いようでしたわ。確かに、前の世界から引き継がれているようですので強いとは思っていましたが、この反応を見るに私は超お強いのかもしれませんわ!


 そんなことを考えていると、私の後ろから高笑いが聞こえてきましたわ。


「はーはっは、あんたたちとってもいい気味ね!自分よりひ弱だと思っていた女の子に手も足も出ずにボロ負けしたんですもの!明日からこの国中の笑いものね!ほら、あんたたち周りを見てみなさい!皆あんたたちの醜態を見て笑っているわよ!」


 リンネさんはまるでどこかの悪役のようなセリフと表情で二人を煽りましたわ。


 そして二人が泡を吹いて倒れて、今に至りますわ!



「いえ、私は普通の女の子ですわよ、リンネさん」


 私はリンネさんからの問いかけにそう答えましたわ。実際は全く普通ではないのですが、『異世界から転移してきましたわ!』などとは口が裂けても言えませんわ。


「リンネでいいわよ、私もソフィアって呼ぶから!分かったわ、そういうことにしておいてあげる!ソフィアのお陰面白いものも見れたしね!」


 呼び捨てですわ!


 なんだかとてもお友達っぽいですわ!


 前の世界では、お友達呼べる相手は一緒に王都を飛び回っていたダークドラゴンさんぐらいしかいませんでしたので、凄く嬉しいですわ。


「分かりましたわ、リンネ!それで、私はこのお仕事を受注してもよろしいんですの?」


「勿論よ!というか、どんな仕事でもソフィアなら難なく達成できると思うわ!では、ソフィアにこの仕事を受けてもらうわ!」


 そう言えば私、今から受けようとしているお仕事が何なのか知りませんでしたわ。


「ありがとうですわ!ところで、このお仕事はどんなお仕事ですの?」


「ソフィア……あなたって子は内容も見ずに仕事を受注しようとしてたの?」


 しょうがないですわ、とても焦っていたのですわ。


「その依頼書が最後の一枚でしたので……」


「しょうがない子ね!私が教えてあげるわね!」



 そして、リンネが私の受けたお仕事の説明をしてくれましたわ。


 お仕事の内容をまとめるとこんな感じでしたわ。



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『依頼内容』

【ノンユウガ帝国】の東にある【エルフの森】にのみ咲く花【アルストロユウガ】の採取。


『達成条件』

【アルストロユウガ】×5の納品。


『達成報酬』

 500000ユウガ


『備考』

【アルストロユウガ】はエルフ国の国花でもあるため、採取の際には十分注意すること。

 また、現在エルフの森内部に強力な魔物の出現を確認しているため、接敵した際には逃げることを強く推奨する。


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 こんな感じのお仕事のようですわ。それにしても、お花を摘むだけで500000ユウガも貰えるなんて、すごい大盤振る舞いですわ!そう思っていた私に、リンネは釘を刺してきましたわ。


「ソフィアの強さなら大丈夫だとは思うけど、エルフは人間に対してとても敵対的なの。そんな人間がエルフにとって大切な花である【アルストロユウガ】を摘んでいたら、問答無用で攻撃してくると思うわ。それに、今エルフの森で確認されている魔物はエルフよりも圧倒的に強いと聞いているわ。だから、くれぐれも花を摘んでくるだけの簡単な仕事だと思わないで頂戴ね!」


「分かりましたわ!ささっとお花を摘んでささっと帰ってくればいいのですね!急ぎながらもお優雅にお仕事をこなしてみせますわ!」


「なんだか少し心配になってきたわ。まあ、ソフィアならエルフも魔物も追い返しちゃいそうだけどね!とりあえず頑張ってね、ソフィア!」


「任されましたわ!」



 私は初めてのお仕事に胸を躍らせながら、冒険者ギルドを後にしましたわ!



 因みに、泡を吹いて倒れていたゴードンさんとゲルドさんは、窓口業務の邪魔だからとリンネが外に放り投げていましたわ。


 私はスキル【鑑定】Lv10で相手のスキルやユニークスキルの情報が見られるのか気になったため、ゴードンさんとゲルドさんにスキル【鑑定】Lv10を使用してみましたわ!



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【名前】  ゴードン・ユウガートレット

【種族】  人

【性別】  ♂

【年齢】  21歳


【LV】  53 

【HP】  514/848

【MP】  259/259


【物攻】  344

【魔攻】  116

【物防】  169

【魔防】  88

【俊敏】  63


【スキル】 身体強化Lv4(new) ガッツLv2(new) 渾身Lv1(new)    

【ユニークスキル】 お山の大将(new)


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【名前】  ゲルド・シュミッド

【種族】  人

【性別】  ♂

【年齢】  21歳


【LV】  42 

【HP】  419/472

【MP】  220/220


【物攻】  63

【魔攻】  146

【物防】  57

【魔防】  99

【俊敏】  91


【スキル】 風魔法Lv3 駿足Lv2(new)    

【ユニークスキル】 腰巾着(new)


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 お、スキルやユニークスキルまで見ることができましたわ!でも、スキル名の横にある(new)とは何ですの?とりあえず押してみますわ!


 すると、目の前に浮かんでいた表示が切り替わりましたわ。



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【身体強化】

 自身の物攻のステータス値を強化することができるスキル。

 Lv4では、2分間の間物攻のステータス値を2倍にすることができる。

 Lv10になると、5分間の間物攻のステータス値を5倍にすることができる。


【ガッツ】

 HPが満タン状態で即死のダメージを受けたときに、確立でHPが1だけ残るスキル。

 Lv2では、20%の確率でHPが1だけ残る。

 Lv10になると、必ずHPが1だけ残る。


【渾身】   

 HPが残り1の状態のときにのみ発動することができ、自身のステータス値を強化することができるスキル。

 Lv1では、ステータス値を1.5倍にすることができる。

 Lv10になると、ステータス値を6倍にすることができる。



 ユニークスキル:【お山の大将】


 スキル所持者を大将として認めている者が近くに存在しているならば、常に自身の物攻のステータス値が強化された状態になる。


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 おお、ゴードンさんのステータス画面の(new)の文字を押したら、ゴードンさんが所持しているスキルの説明を見ることができましたわ!ずっと疑問に思っていた、ゴードンさんの物攻のステータス値だけ他のステータス値よりも高かった理由は、ユニークスキルの影響だったようですわ。


 こうなったら、ゲルドさんのスキルも見てやりますわ!ポチっとな!



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【駿足】

 自身の俊敏のステータス値を強化することができるスキル。

 Lv2では、1分間の間俊敏のステータス値を1.5倍にすることができる。

 Lv10になると、5分間の間俊敏のステータス値を5倍にすること



 ユニークスキル:【腰巾着】


 スキル所持者が大将として認めている者が近くに存在しているならば、常に大将として認められている者の物攻のステータス値が強化された状態になる。また、スキル所持者に対する大将として認められている者の好感度が上昇する。


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 あら、(new)のついていなかった風魔法Lv3の説明は省かれていますわ。もしかしたら、既に私が知っているスキルの説明は表示されないのかもしれませんわ。それにしても、とんでもなく他力本願なユニークスキルがあるものですわね。まさしく、腰巾着というわけですわ!



 あらかた見終えた私は、改めてスキル【鑑定】Lv10が恐ろしく有能なスキルであることを実感しましたわ。やはり、説明を聞くだけではそのスキルでどれほどのことができるのかは分からないものですわ。ですので、これからは私の所持している他のスキルも積極的に使用して、使用感を確かめていこうと思いますわ。


 そして、私は未だに泡を吹いて倒れているお二人を横目に、異世界での初めてのお仕事をするために、【ノンユウガ帝国】の東にある【エルフの森】に向かいましたわ。



──


マロモカです!


ソフィアさんのステータスは、やっぱり化け物でしたね!


ユニークスキル:【お優雅】が発動しなくても、なんだかんだお優雅に解決できたようで良かったですね!


さて、次回はソフィアさんの初めてのお仕事回!向かう先が【エルフの森】ということは……

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破滅エンドを迎えた悪役令嬢の異世界お優雅生活! 〜前の世界でやりたい放題していた悪役令嬢は、異世界ではお優雅に暮らしたいそうです〜 マロモカ @nyuno1228

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