第5話 エピローグ・・・現在の「僕」
翌日、午後3時ごろまで待っていたが、結局、彼は現れなかった。
あの場所にも、その後何回か行ったが、林道がどんどん舗装され、当時50キロもあった未舗装部分が15キロ程度になってしまったこともあり、足が遠のいてしまい、彼にはあの日から、一度も会えていない。
ーーーーーーーーーーーーーーー
その後、僕はあのジャケットを探し回り、足立区のショップでようやくあのジャケットを手に入れ、同じショップで彼と同じバイク・・・。XR250も手に入れた。
ジャケットの性能は、彼の言った通りで、雨の日でも濡れることなく、僕はXRで林道をひたすら走り回る日々を送った。
今でもまだまだ使うことはできるが、流石に数十年以上前に購入したものを着るのは気恥ずかしく、最近では彼の言ったように「タンスの肥やし」になってしまっていた。
そして、先日、あのマルコム・スミスさんが亡くなったというニュースを聞いた。
彼の生前の画像と、あのISDEジャケットの画像をSNSで目にした僕は、クロゼットの奥の赤と青のISDEジャケットと、彼に会ったあの日を思い出した。
僕は今の愛車。BMW1200GSを駆って、ほとんど舗装されてしまったあの林道を再び、あの場所に向けて走っている。
赤と青のISDEジャケットを着て。
・・・・
2024年11月26日に逝去されましたマルコム・スミスさんを偲び。
高杢 匠
赤と青のライディングジャケット〜マルコム・スミスさんを偲んで。 高杢匠 @kanyu11
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます