7 俺の愛車
最終公演日。
俺は持っている限りのすべてのネタを惜しみなく公開した。スポットライトを目一杯浴びた俺は、観客に手を振りながらステージ脇へと吸い込まれるようにその場を後にする。デンゼルの姿がそこにあった。マイケルも居た。
打ち上げパーティーを終え、機材の一部をスタジオに搬入しようと、俺が楽屋のドアを開けた時のことである。
そこはいつもの日本のあのスタジオだった。
「!?」
振り返っても、同じ日本の光景である、やや古めかしいビル街が広がっているばかりだ。
大慌てで車の姿を確認しにゆく俺。
ミーラが、なんとローライダー仕様に改造されている!
「やぁ、田宮君。元気してたのかい」
振り返るとそこには横模さんが立っていた。
「え? あ、まぁ…そうですね」
「大分渋い車になったね。いつカスタムしてもらったの?」
俺はふと、手にしていた車のキーホルダーに目をやった。
妙である。
それは、キーの部分以外が1958年式インパラのオリジナルの仕様になっていて──。
< 了 >
転生ヒップホッパー ~ アメリカに転生!? ~ 博雅 @Hiromasa83
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