6 当の本人からの連絡
色々とありながらもツアーはいよいよラスト公演に向けて順調に進んでいった。そんなある日、ジョーと名乗る男性から電話があった。
「俺だよ、ジョー・タキザワだ」
「えっ、タキ…ザワ?」
「俺の代わりを務めてくれてありがとう」
携帯の向こうで頭を垂れているのがわかるような声のトーンだった。
つまるところ、こういうことらしい。
ジョーはツアー初日前から大病を宣告されており、即入院となった。この病気は奇病とも言われ、ジョー曰く「尊厳を失うような」病気だという。だが、熱狂的なファンを持つ彼は、お客様をがっかりさせたくない。米国人といえども、そこはしっかりとジャパニーズ・スピリットを持っていたのだ。ツアーには出たい。だがファンの前に自分の醜態を晒したくない。そこで、プロデューサーすら騙す形で、影武者を探せと全米を捜索させたらしいのだ。
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