キャラメルの箱とちいさな男

キャラメルの箱とちいさな男

秋の森には、赤、緑、黄色、茶色の落ち葉が集まって、カサカサと足元に響いています。風が吹くたびに、葉がひらひらと舞い、森はまるで色とりどりの絨毯のようでした。森の中を歩いているのは、ちいさなちいさな男。とてもかんしゃく持ちなので、ちょっとしたことで怒っては、怒りを爆発させてしまう性格でした。

ある日、彼は一人で森を歩いていると、目の前にキャラメルの箱が転がっているのを見つけました。好奇心から、その箱を拾い上げてみると、なんだか不思議な気持ちがしました。すると、ちいさな男は、家に持ち帰る昆虫のように、キャラメルの箱に入っていました。箱の中は全然せまい感じがはなく、落ち着いた空間でした。

その時、キャラメルの箱はふわっと浮き上がり、動き始めました。びっくりしましたが、誰かが運んでいるようでした。箱はゆっくりと森の奥へと進んでいきました。

しばらくして、キャラメルの箱は、静かな場所に置かれました。箱の引き出しを押して、外に出ました。そこには、興味しんしんで見つめている大きな熊と、小さなウサギがいました。動物たちは、不思議そうに箱から出てきたちいさな男を見つめました。

「やあ、どうして箱に入ってたの？」と熊が尋ねました。

ちいさな男は、少し照れくさそうに言いました。「実は、気がついたら昆虫みたいに、キャラメルの箱に入ってしまったんだ」

ウサギがぴょんぴょん跳ねながら言いました。「この森は、優しい気持ちをもっていれば、みんな友だちになれるよ！せっかく箱から出られたんだから、一緒に遊ぼうよ」

熊もうなずきました。「ここでは、みんな仲良くなることが一番大事なんだよ」

キャラメルの箱に入れられてしまったちいさな男は、その言葉に驚きました。普段は、怒りの気持ちがまっ先に来て、周りに当たり散らしていたけれど、この森では、ずいぶん違うのだと感じました。少し考えて、答えました。「じゃあ、僕もみんなと友だちになりたい」

その日から、ちいさな男は、森で熊やウサギと過ごすようになりました。熊は、森の木々や動物たちのことを教えてくれました。ウサギは毎日一緒に跳ねながら、陽気な気持ちにさせてくれました。

ちいさな男は、もうかんしゃくを起こすことはなくなり、自然と周りの友だちと楽しく過ごすことができるようになりました。キャラメルの箱に入ることがきっかけで、彼の心は少しずつ変わり、森の動物たちと友だちになることができたのです。

秋の色づいた森で、ちいさな男は、幸せな気持ちを胸に、もう怒ることなく日々を楽しむことができました。

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この「ちいさな男」は何をあらわしているんでしょうね？ドクター・フロイド