第7話 生徒会



 景気よく攻撃魔法をぶっ放したあと。


 アリスちゃんは生徒会で取り調べをされるらしく、午後の授業を欠席した。もちろん取調官役の生徒会役員――王太子とその取り巻きたちも欠席だ。


 あれだけやらかしたのだし、下手をすれば退学処分かもしれない。

 なんだか可哀想な気もするけれど、さすがに介入するわけにもいかないでしょう。冤罪ならとにかく、実際にやらかしてしまったのだし。


 ただまぁ身分制度がカッチリしているこの世界だと理不尽な死刑判決とかあるかもしれないので、その時はアリスちゃんをうちの国に逃がしてあげましょうか。


『……そうやって後先考えずに助けるから信者が……』


 なぜかラーニャに呆れられてしまった。人助けをするのになぜ呆れられなければならないのだろう? というか信者って何? 何のこと?


 ま、それはあとでじっくり問い糾すとして。


 異世界にも『生徒会』ってあるのかぁと妙な感心をしてしまう私である。剣と魔法の世界なのにねぇ……。


 どうやらこの世界の生徒会はかなりの権力を持っているらしい。それこそ教師を差し置いてアリスちゃんの取り調べができるくらいに。


 まぁ、この世界の生徒会がどんなものであろうとも、私には関係ないことだけどね。だって生徒会に入るつもりはないし。生徒会にお世話になるような問題行動をするつもりもない。私は平凡ながらも楽しい学園生活を送るのだ!


『……なるほど、これが陛下のよく言う『フラグ』というものですか』


 ちょっと、そういうこと言うと本当になるから止めてもらえません?





 早速のフラグ回収。

 つまりは放課後、生徒会に呼び出されてしまったでござる。


 う~ん? なんでだろう?

 心当たりがあるとすれば演習場での結界操作だけど……私がやったという証拠なんてないはず。


 これはもしや、私が美少女すぎて王太子が一目惚れ、権力を乱用して私と仲良くなる場を整えたのでは!?


『そういう妄想をして、虚しくならないんですか?』


 虚しくはなりません。ラーニャの冷たい反応に悲しくなるだけで。


『温かい反応が欲しければ、温かい反応をしたくなるような言動をしてください』


 容赦のない宰相であった。しくしく。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪役魔王(♀)はのんびり学園ライフを送りたい ~私が悪役とか聞いてないんですけど!?~ 九條葉月@書籍発売中! @kujouhaduki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画