歯のお手入れ……それでも

夢野楽人

治療記 第二弾

 目の手術から二か月が過ぎ、患部も良くなったのを再検査で確認しました。

 まだ完治とはいきませんが、もう問題はありません。


 そこで先延ばしにしていた、歯の点検に行くことにしました。


「あー、歯医者に行くの面倒くさいなー。でも歯石を削ってもらわないとなー」


 だいぶ前に痛めて懲りたので、歯を磨くようにしてはいましたが、やはり歯石は発生してしまいます。

 音波ブラシは使っているものの、磨き残しは必ず出ます。


 丁寧に何回も磨かないと歯垢はとりきれません。毎日だとめんどい。一応道具はありますが、


「歯間ブラシは引っかかるからサボリ気味。歯並びが悪いから手入れに時間がかかる。何か別なアイテムはないかな…………おっ!」


 テレビのCMとネットで調べて、口腔洗浄器(ジェットウォッシャー)を購入することにしました。一番安いやつ。


 ……………………


 宅急便で届いてから中身を取り出し、説明書を適当に読んで充電し、水を入れノズルをセットして使ってみました。


「うおっ! 思ったより水の勢いがある。おー、落ちる落ちる。これは使えるじゃん。結構カスが残ってるもんだな――――うっ!」


 注意書きを読まなかったのが悪いのですが、ノズルの向きによっては辺りがビシャビシャになってしまいます。


 洗面台でかがんで使い、「口の中」に入れた状態で、スイッチを切らねばなりません。


 小生は口から出した途端、目に当たってしまいました。


「……眼鏡がなければ直撃だった」


 使い方を間違えなければ便利な道具です。

 あと電気カミソリの洗浄にも使えます。ようはミニ水洗浄機なので。



 こうして歯医者に行きました。年に一度は行ってたので、眼科の時のようにビビることはありません。

 まあ嫌ではありますが。


 歯科衛生士さんに虫歯の点検と、歯石削りと研磨をしてもらいました。やや痛い。


 ここまでは今まで通りで、あとは歯医者さんに診てもらって終わりのはずでしたが、少し気になるところがありました。


「所見では問題ありませーん」


「いやー先生、上の差し歯のところがおかしいんですよ。たまに痛む」


「そうですか。では、レントゲンをとってみましょうー」


「はい」


 実は歯のレントゲンをとったのは数年前で、現在の状態は分かっていませんでした。

 すぐに結果はでます。先生いわく、


「あー、歯の根元と周辺に空洞が見えまーす。これは雑菌が入り込んでるかもー。差し歯が古くなってますからね。そしてー、下の奥歯にも空洞があります。こっちの義歯は。長期の治療になりますが、いいですかー?」


「……はい、お願いします」


 ああ、一日で終わるはずだったのにー。またもや通院となりました。


 年齢と共に歯肉の状態が変化するので、いくら歯を磨いていても隙間から雑菌が侵入してしまうようです。見逃してくれない、しくしく。


 変わったトラブルに愛されるのが小生の運命さだめ


 ふっ、モテる男はつらいぜ…………じゃねーよ!


 それでも悪化しないうちに発見できて良かったと思います。不幸中の幸い。



 こうして週に一度、歯医者に通うことになりました。

 まずは上の歯からで、差し歯をぶっ壊して仮歯を作りました。薄いプラスチック製なのでもろい。


 そしてもう一度レントゲンを撮ってから、治療が始まります。

 現代は歯一本だけを撮影することもできるんですね。


 中に溜まった膿をかき出して、消毒してもらいます。自分では見たくない作業です……。


 一か月かけて処置が終わり、歯型を取って新たな差し歯をつくることになりました。


「どれにしますか?」


 義歯リスト


 保険適用――10000円以内。素材プラスチック・セラミック。


 保険外 ――四万~八万円。セラミックとジルコニアなどの複合。


 昔あった銀歯は、あまり使われなくなってるようです。これも技術の進歩。

 値段が高くても良かったのですが、


「これってまた雑菌が入り込んだら、壊すしかないんですか?」


「ええ、そうなります。高いのは硬く壊すのも大変で、お金も吹っ飛びまーす」


「……安い保険歯でお願いします」


 固い物を食べる方や大食漢の方は、高い義歯をつけた方がいいかもしれません。

 耐久性が違う。ただどちらにしても、割れ欠けの可能性はあります。

 とりあえず上の歯は終わり、現在は下の歯の治療をしております。



 最後に真面目なまとめ。


 まずはお医者様に感謝いたします。

 めまいがしては耳鼻科、前立腺炎では泌尿器科でお世話になりました。


 問題なのは医師不足で、早めにすべき手術でも待たせられてしまう現実です。

 高齢化社会がすすめば患者だけが増えて、必要な治療を受けられなく恐れがあります。


 それと、ニュースで騒ぎになった麻酔不足。


 必需品でもメーカーが不採算になれば、薬を作るのをやめてしまいます。

 なにせ設備に大金がかかるので。

 手に入らなくなったら、さあ大変。お医者さんがいても何もできなくなる。

 

 なので皆さんも体に異常があれば、すぐに近くの医院へ行きましょう。


 一般の健康診断では発見できないので、専門の先生に診てもらいましょう。


 治してもらえるのは今のうちだけかもしれません。


 政治家は裏金作りやパリピやってないで、医療補助に予算を使ってほしいものです。

 

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