なんでもないような事が幸せなんだと思えるエッセイ
- ★★★ Excellent!!!
ある日突然、かわいい我が子にふりかかった悲劇。
ADEM(急性散在性脳脊髄炎)という病気をご存知でしょうか?
中枢神経系(脳と脊髄)に急性の炎症を引き起こす疾患であり、主に免疫系が関与する自己免疫疾患で、感染症や予防接種をきっかけに発症するのだそう。
つまり、誰にでも起こりえる悲劇なんですね。
本作を通して初めてその病の恐ろしさを知りました。
そして何より、お母さんの強さと偉大さを知りました。
医者に「一度壊れた脳は二度と元には戻らない」と告げられた時の絶望。
しかし、お母さんは腹をくくります。
覚悟を決めて、その時に向けて着々と準備にとりかかる。
もちろん涙が枯れる事はありません。
泣きながら前を向いて、希望を手繰り寄せる。
目を開けた。少しだけお話ができた。
小さな喜び。それはやがて大きな奇跡へと変わる。
このご家族に幸多からん事を心から願っています。