すずなりは永劫に

 鈴哭山に座する楠の御神木。
 下手人の乱心により炎に包まれ、百六十八本もの奉じられた榊によって赤と青の魂が解き放たれる。
 現代においてなお、男と光を忌み嫌い、山に足を踏み入れた不届き者を罰する。
 病に苛まれた御神木を鎮めるため、彼岸花の色をした左目を宿す血族が奉血の儀を執り行う。その祭司たる女のおぞましき姿を決して見てはならない。
 末裔たちの業の末に生まれしは双子の娘。共に【紅】の名を授かる。
 かくして鈴なりは再び結ばれ、榊の首元で因果は鳴り続けるだろう。

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