炎のように熱血なエヴァンと、氷のように冷静で毒舌なレジーニ。
二人は“メメント”と呼ばれる異形を退治するものだ。
軍に正式依頼されることなく退治する二人の功績を、世間が知ることは無い。
生きるか死ぬかの二択しかない人生に、〝自由〟などありはしない――。
メメント討伐部隊の計画のため、人の手で強化された戦闘員・〈マキニアン〉。
エヴァンは、そのマキニアンの一人だった。しかしコールドスリープされ、解放された時には10年の時が経っており、所属していた組織は滅んでいた。
自由になった今、彼女が欲しいと思っていたエヴァン。そんな彼の向かい側に、アルフォンセという女性が引っ越してくる。
最悪なファーストコンタクトをしてしまったものの、アルフォンセと距離を縮めていくエヴァン。だが、彼女はなにやら秘密があり、しかも攫われてしまう。そいつらはどうやら、エヴァンを知っているようで――?
そしてレジー二にも、悲しい過去があるようだ。
「軍も〈イーデル〉も、俺たちマキニアンを兵器としてしか見てなかった。俺たちは人間だ、道具じゃない」
人間として生きるため、決して日向に当たることの無い彼らがたどり着く真相とは。
明るい野生児タイプの青年エヴァンと、クールなインテリ系ツンデレ美青年レジーニ。どこかちぐはぐな二人は、アトランビル・シティにて〝メメント〟と呼ばれる異形を狩る裏稼業者「異法者(ペイガン)」に所属し、人知れず戦う日々を送っている。
彼らがメメントを任意に生み出す謎を調査するにつれ、少しずつ浮かび上がってくる真相。それは、エヴァンの失われた記憶に潜む、彼の過去と大きく関係していて……!?
筆者の巧みな筆力によって描かれる、ど迫力なアクションと、深まる謎。個性豊かな登場人物達、丁寧なストーリー展開は、読み手を全く飽きさせません。
カメラワーク的な表現は秀逸で、まるで洋画を観ているような世界観。
男同士の友情のみならず、それぞれのヒロインとのロマンスも同時に楽しめる、爽快なSFメンズバディアクション作品です。
王道の凸凹メンズバディ好きさんにオススメ致します。