最速を目指して

迅帝

第一章 ストリートレース

第1話 忘れられない思い出

 時は19XX年、首都高や公道なんかで非公認レースがいつも開催されるようになっていった日本。

 もはや一部の道路を利用し、その道でレースが開催されるのが日常となっていた。

 「ブオ゙ォォォォォン…」

 夜になった街から聞こえてくる車のエンジンの音。

 今このときにはすでにレースは始まっていた!

 「ドギャァァァァ!」

 レースをしている車たちがものすごい速さで目の前を横切っていく。

 影のところからレースを見ていた観客たちが一瞬の速さを目の当たりにして盛り上がっていた。

 「おい見たかよ今の!」

 「ああ、接触ギリギリのところを駆け抜けてってたぜ!?」

 「今日は一段とやべえな!」

 などと言っているが、世の中ではバカバカしいなど、迷惑行為だの言っている人たちもいたりするが、そうではない者たちもいる。

 車を愛している人たちだ。

 かっこよさと速さというロマンを探し求めている者たちが日々、腕を磨いたり、チューニングしたりして競い合っている。

 そして今レースを見ている少年の眼の前に1台の車が横切っていった。

 その時、レースを見ていた少年はその車に釘付けとなってしまった。

 その少年には車種がわからなければ、車の知識だってない。

 だが、色だけは少年には見えた。

 ”青色”の車であった。

 「うお!何だ、いまの車は!」

 「早すぎて車種もわからなかったぜ」

 「やべぇなぁおい!」

 更に見に来ていた多くの観客たちが大盛りあがりとなった。

 その日以来、少年はその車を見に行こうとしたが、二度と、その車が少年の眼の前に姿を表すことはなかった。

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最速を目指して 迅帝 @zintei

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