第3話

 とうとう鳥たちは、自立し飛び立った。きっと来年も可愛い鳴き声を聞かせてくれるに違いない。なんか、外がうるさくなってきたな。

「やっと、鳥がいなくなったわね。」

人だ。ここは民家の軒下なので、当たり前だが少し悪い考えが浮かんだ。僕たちを壊すのではないか?

「ピーピーうるさかった。もう壊そう。よし、そうと決まったら、業者さん呼ばなきゃ。」

しばらくして、業者さんと呼ばれる人が来た。そこで初めて人の顔を見た。恐ろしく歪んだ顔だった。僕はあっという間にゴミ袋に入れられ焼却炉で燃やされてしまった。焼却炉に入れられる前、聞こえた。

「鳥の巣があったら、すぐに電話してください。壊しますので。」

負の連鎖は続く。もう一度、小鳥の鳴き声を聞きたい。その願いは虚しく消えた。

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Nijika @Nijika0302

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