第34話 守護天使(3)

 アーリは、キーパーに取り引きを持ちかけてみる。


 あの〜、申し訳ありませんが、負担金が多過ぎやしませんかね? 上手い口実を2人で作って、負担金を減らしませんか? 上手く減らせたら、相応のキックバックもお約束を致します。額が額ですからね。コンマ以下数%でも、相当な額になると思われますが?


 これはホルスであれ、エンゼルであれ、キャッシュに興味がある者であれば、魅力的な誘いであった。しかし、キーパーはこれを、にべもなく否定した。


 天使アーリ、契約違反の意志に抵触! 制裁を加えます! キーパーは、アーリを捕まえようと、手を伸ばす。それに気がついたアーリは、身を翻して、距離を取った。


 うわっ! 止めなせい!! くそう、やろうってんですね! 良かろうです。こちらが下手(したて)に出ていただけなのだと思い知らせやす!


 アーリは、普通の天使より1ランクだけ上位の大天使級の実力と見たキーパーを軽くいなそうと戦闘を開始する。しかし、体が重い。キーパーの発する靄(もや)の様なオーラに触れると、あらゆる戦闘能力が逃げて行く気がした。あえなく、アーリは、大天使の制裁の的になってしまう。


 守護天使キーパーは、アーリを制裁と称し、気の済むようにボコった。


 キーパーは、言った。


 成文の文言の修正、改変などは許しませんし、応じませんので、ご失言にはご注意下さい。即座に対処いたします。歪みはございません。


 アーリは、痛む体を撫で、頷く外無かった。


 はい・・・。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年12月27日 10:00
2024年12月29日 10:00

ユリの冒険 福田英人 @Marduk03

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ