ダンジョン冒険者を無差別に攻撃して楽しむ俺〜気付いたら最強と化していたので門番として君臨することにした〜

微風

第1話 狂信者のダンジョン配信


 ※閲覧注意


 とある迷宮の一角にて事件が発生した。


 ダンジョン内部で腰を下ろして休憩する冒険者を襲う謎の男。

 黒き仮面を被り、漆黒のマントを身にまといながら一心不乱に【黒剣ブラックソード】を振り回すイカれた狂信者がいた。



【ドローン配信】≪ON≫



『貴様、一体何者だ!』

「お前に名乗る名など持ち合わせていない」

『なっ、な、何だその黒い剣は! 何故俺に刃を突き立てている!』

「何ってそりゃお前…………今からお前をPKするからだよ?」


 PKとはプレイヤーキルの略である。

 ダンジョンを冒険する探索者たちに取っては禁忌とされている行動で、暗黙の了解の元、人には手を出してはいけないと言われている。

 その禁忌を平然と破っている男が、ガーディアンの俺だ。


『お前、そんなことしたらチャンネル登録者数が一気に減っていくぞ!』

「ふはははっ、元々三人しかいねぇからな。減るもクソもないんだよ」


 俺の行動を咎める人間が多いから、その分チャンネル登録者は少ない。

 しかしながら、同接は100〜200程度をいったりきたりするぐらいには注目されているのだ。

 俺と同じく狂信的で熱心なファンが、配信を見てくれている。

 彼らの期待に答えるためにも全力で狩りを行うつもりだ、見ていてくれ。


『ちっ、舐めやがってクソ餓鬼風情が。俺の剣をお見舞いしてやる、後悔するなよ』

「やってみなオッサン」


 男は自慢の大剣を振り下ろすも、ガーディアンである俺には効かない。

 そこらの冒険者とは比べものにならない程に圧倒的な防御力を誇っているからだ。


『なに?! 効かない……だと?』

「ふはははは、そりゃそうだ。ガーディアンの防御力を舐めすぎだ。さて、もう飽きてきたから終わりにしよう」

『くそっ、調子に乗りやがって!』

「死ねやぁぁぁあ!!」

『や、や、やめろぉぉお……』


 三十代半ばに差し掛かっているであろう、無精髭を生やしたオッサンは地にひれ伏して戦闘不能となった。


「けっ、雑魚がっ。たかだかレベル【37】で調子に乗るからこうなる。潔く散れ」

『うぐっ……』

「ぐふふふっ、さてと次だ次♪」



 ▶︎レベルが【126】に上昇しました。

 ▶︎防御力が【2520】に上昇しました。

 ▶︎所持金を【15000円】強奪しました。

 ▶︎プレイヤー名【しがないオッサン】が死亡したので強制的に迷宮入り口へと移送しました。



 ここ最近の俺ははすこぶる機嫌がいい。

 何故なら、雑魚を見境なく駆逐しながらレベルを上げまくれるからだ。

 冒険を始めたばかりの冒険者を狙うもよし、弱り切った年寄りを狙うもよし、敢えて仲良くなってから後ろから切り付けるもよし、何でもありなのだ。

 五感は正常に機能するが、痛みという感覚だけは抑えられている世界だから悪びれる必要すら一切ない。

 ダンジョンで死んだ冒険者は入り口まで転送させられて復活するからな。

 だから最近は、毎晩夜な夜な徘徊をして弱そうな冒険者を狩るのが俺の日課となっている。

 もちろんモンスターを狩りしてアイテムやらお金やら魔石?だったか、忘れたけど、真っ当に探索するのもありだが、面倒だから途中でやめちまったよ。



<また冒険者がやられたぜ>

<誰なんだよアイツ……>

<PKは御法度だろ>

<オッサン死んどる>

<見てるだけで爽快だよ。次は有名な配信者の討伐よろ>

<オッサンの跡地に十字架立っとる>



 今日の同接は129人か。

 まあまあ見てくれてる、できれば投げ銭とか入れてくれるとモチベーション上がるからよろしく頼んます。




 続けて、夜の新宿歌舞伎町ダンジョンの一角にあるモーテル内部に向かい、一人の女性の肩を叩いた。


『きゃっ、貴方一体誰ですの?』

「ねえねえ、お姉さん。今から俺と遊ばない?」

『わたくし、今日はシタくないから、あっちいきなさい。シッシッ!』

「ったく連れねぇ奴。はぁ、仕方ないか」


 俺は金髪の二十三歳お嬢様系の女冒険者を押し倒して、手と足を縄で縛ってベッドに固定した。

 女は抵抗し、俺に対して殴るや蹴る、武器のハンマーで頭をかち割ろうとするなど、あらゆる手法で俺を攻撃したが、残念ながら防御力が高いゆえ、全く効かないのだ。


『コラっ、やめなさい! こんなことしてタダで済むとお思いで??!』

「心配すんな、痛くしないって。まあ痛みはほとんどないに等しいが……優しくシテやるからよ」

『待って待って、服脱がすのはらめぇぇ〜〜助けてぇぇ〜〜』


 何やら嫌がっているようで本当は満更でもないご様子。

 ふはっ、ならば俺が気持ち良くしてやろうじゃないか!


「ほら、パンティー横にズラすから大人しくしなさい」

『まだわたくしの膜は健在なの! お願いだから純潔を奪うのだけはやめてぇ〜』

「早く股を開け、挿入し辛いだろうが」


 俺はそびえ立つエッフェル塔を突き刺した。


『アァンっ……あんぁんあぁん……痛いけど気持ちいわ……でも中にだけは……うぅん……』

「イクぞ。はぁぁ……」

『はぁはぁ、お腹が……あったかい』



 ▶︎レベルが【130】に上昇しました。

 ▶︎防御力が【2600】に上昇しました。

 ▶︎所持金を【27000円】強奪しました。

 ▶︎プレイヤー名【ジョセフィーナ】が犯されたので強制的に迷宮入り口へと移送しました。



 初めてやったが気持ち良さは外の世界と変わらないって、最高じゃん。

 お嬢様系とやれるとかリアル世界じゃまず無いから充分な満足感が得られて僕は嬉しい。


 下のお口に問答無用でオタマジャクシを発射した俺は、ウェーイな気分となりモーテルを後にした。


 あっ、心配はいらないぞ!

 ダンジョン内部は現実世界と隔離された空間だから、いくら人をなぶっても痛ぶっても犯しても捕まることはない、不文律が確立されているから配信もし放題。

 要はAV撮影に似たもんだと考えて頂ければいいのである。

 ちなみにぶちまけても子供は出来ないから大丈夫だ、問題なし、責任もなし、お互い気持ち良くなれてWin-Winだ。


 俺はドローンで生配信されているビデオカメラに向かって苦笑いとピースサインで挑発しながら、その場を後にした。



<ワタシもログインしたら襲われないようにしないと>

<女子は夜出歩かない方が身のためだぞ。種付けされるからな>

<最高にオモロいじゃんこの男wwwwwww>

<いや、そろそろ取り締まれよ>

<垢BANまで秒読みだな>

 



 そして更に俺はコメントを無視しながら、その足で近くのコンビニ型ダンジョン、セプンイレプンへと足を運んだ。


「えーっと、今日の晩飯はっと。イカ飯弁当とか新発売じゃん、貰っとくかな」

『お客様、万引きは困りますよー』

「ああ〜そっか。そうだよな」

『ほら、早く1500円払ってくださ……』

「どりゃぁぁ!!」


 俺は装備している黒剣を振り下ろしてその場を立ち去った。



 ▶︎レベルが【132】に上昇しました。

 ▶︎防御力が【2640】に上昇しました。

 ▶︎所持金を【100円】強奪しました。

 ▶︎プレイヤー名【コンビニ店長佐竹】が死亡したので強制的に迷宮入り口へと移送しました。



 ちなみにダンジョン内部のお店ってボッタクリの可能性大なんで、むしろ感謝されて然るべきだから問題なし。

 いくら物価高とか言ってもさ、1500円は高すぎて生活保たんのよ、だから俺が始末しといたから安心して歩くといい。



<おっ、ボッタクリのコンビニ消えて草>

<そこのコンビニ店長、リアルじゃニートだからな。職探し手伝ってやれよww>

<スッキリ爽快最高〜〜>

<お前マジ外でやんじゃねーぞ>

<やりかねないからな>

<あさってくらいに"無職のダンジョン配信者逮捕"って記事出てるから安心しろ>



【ドローン配信】≪OFF≫


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2024年11月18日 06:41 毎日 06:41

ダンジョン冒険者を無差別に攻撃して楽しむ俺〜気付いたら最強と化していたので門番として君臨することにした〜 微風 @0wc2k

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