第3話
2回裏 白組の攻撃
4番 松宮 2年生
ピッチャーの芦原が腕を伸ばしてストレッチをしてから
マウンドに立つ。
松宮さんはホームランバッターで長打力もある。
まだ、2年生というのが驚きだ。
1球目、インコースのストレート 強気の配球。
芦原さんとバッテリーを組んでいるのは、星山さん。2年生捕手
「松宮さん相手にインコースのストレートってすごいね」僕が言った。
「だよね、インコースのストレート強気すぎる。」窪田が言った。
「キャッチャーって星山さんだよね」
「星山さんがインコース要求したんじゃない」僕が言った。
「4番だし、ノーアウトでヒット打たれたくないね」
「そういえば、学校に行く途中に公園があるんだけど、そこ桜咲いてたわ。」僕が言った。
「そりゃ、咲いてるよ。4月22日だよ。ちょうど春の季節じゃん。」窪島が言った。
「俺らも、4月入学してきたばかりなのに早いな」
「うん2週間たつのは早い。俺たちも明日試合だから楽しみだな。」
「ああ、そうだね。」
「桜がソメイヨシノだったんだけど。名前がいいよね」
「名前がかっこ悪いより、かっこいいほうがいいな」
僕達は話ながら、試合を見ていると、
松宮さんがアウトコースの内に入ってくるスライダーをライト前に持っていった。
ヒットで出塁。
ノーアウトランナー1塁。
「松宮さん、ヒット打ったよ。すごい」僕が言った。
「インコースちらついて、アウトコースに狙いを定めるの難しいのに良く打ったね。」
「やっぱ、チームナンバー1だけある。」
「桜の話なんだけど、桜道通ってみたくない。」僕が言った。
「ああ、桜並木ね。満開の桜が咲いていて、桜がいっぱいあるところに行ってみたいな」窪島が言った。
「春ってやっぱ桜だもんね」
「長野、春が終わったら、夏でセミが出てくるよ」窪島が言った。
「うわ、セミか。うちの公園にもセミがいっぱい木にとまるんだろうな」僕が言った。
「話変わるんだけど、最近コンビニは期間限定の商品ばっかでてるんだよ。」
「期間限定って言葉いいよね。おもわず買ってしまう。」
「でも、その商品はレギュラーになれない商品が大半なんだよな、。」窪島が残念そうに言った。
「ああ、俺たちも期間限定商品になるかもしれない」僕も冗談で言った。
「俺たちの学校って岡山県じゃん。田舎にある学校じゃん。」
「俺たちの地域、山多すぎるよな。なんでこんなに山あるんだろ。」僕が言った。
「そういえば、こないだ。学校の近くにスーパーができたじゃん」窪田が言った。
「ああ、あそこね。買い物にでも今度行こうかな。」
「キャンプしたくない?今度、野球部でキャンプしようよ1年生だけで」窪田が言った。
「それいいじゃん。けどだれが仕切るの」僕が言った。
「うーん、リーダーシップあるのは冨尾じゃないかな」窪田が言った。
「冨尾に相談して計画たてよう」
「いいね、たのしみだよ」
「最近、だんだん暖かくなってきたよね。」窪島が言った。
「だな。おばあちゃんが気温差が激しくて体調崩しそうって言ってた」
話している間に2回裏が終わった。
ノーアウトランナー1塁で
5番の東條さんがショートゴロでゲッツーをとられて、2アウト。
6番の新井が初球の高めのスライダーを左中間に弾き返して
2ベース。
2アウト2塁で
1年生 桜庭
3球目のストレートを打ち上げて、ファーストフライ。
3アウトチェンジとなった。
Side 主人公、藤沢
1回、2回両チーム無得点。
本城さんと芦原さんが、いい投球を見せている。
僕はレフトで守っていて本城さんの投球を見ているが
打たれる気がしていない。
レフトは練習でやっていたので、大丈夫だと思うが。不安が残る。
元々、センターだったので少し守備位置がずれている。
センターの本多さんの指示に従って守備位置を取っている。
本多さんは守備も上手い。
3回表、紅組の攻撃が始まった。
9番、芦原 2年生
左打席に立つ。
本城さんの6球目の高めのつり球を振って三振した。
1アウトランナー無し。
1番バッター水野
左打席にたつ。
本城さんは警戒しているのか。ボール球先攻になって、
3球目のアウトコースのボールを流し打ちした。
レフト前に打球が来たので僕は丁寧にとってショートに投げる。
今日初めてボールに触った。
それから、
2番 秋元さんをフライでアウトにして、
3番 秋元さんをサードゴロにうちとって
3アウトチェンジ。
ベンチに戻るとき、本多さんと一緒に戻った。
「つぎの打席空振りでもいいから振っていけよ。」本多さんが言った。
「はい、そうします。」僕は言う。
「高校初打席だから、緊張していけ」
「緊張していけってなんですか」僕が笑いながら言った。
3回裏
8番 藤沢 僕の打席。
ピッチャーの芦原さんはマウンドで足場を確かめながら
ぼくを見た。
僕は右バッターボックスに立つ。
1球目、インコースのストレートを振ってファウル。
それから、追い込まれて、3球目のフォークボールに手が出て空振り三振。
僕の高校初打席は空振り三振に倒れた。
ベンチに戻ると、本多さんが「ナイス空振り」と言ってきた。
「フォークボールに手が出てしまいました。」僕が言った。
「まあ、しょうがない初球が一番のチャンスだったから振っていけって言ったんだ。」本多さんが言った。
「そうだったんですか」僕が言った。
「そういえば、映画好きなんですよね。今度、泥棒バーツって映画があるの知ってる?」本多さんが言った。
「いや、知らないです。」僕が言った。
「これが面白いかもしれないって噂があって」
「見に行くんですか?」
「面白いものがあったら見に行くよ、」
「先輩って彼女いますか?」
「いるけど。それがどうしたの」
「じゃあ、彼女と映画館行くんですね。」
「いやいや、彼女とは映画館行かないよ。俺の趣味だし」
「え、ほんとに言ってます。映画館といえば彼女と行くものでしょ。もったいない。」
「まあ、そういうものか。わかった今度から彼女連れて行く。」
本多さんが言った。
「この前、県知事選だったらしいです。」僕がいった。
「ああ、ほんとに興味ないよ。テレビでやってるもんな」本多さんが言った。
「テレビでアニメやってくれた方がいいですよね。」
「いや、それなら映画をやってくれ。」本多さんが言った。
「本多、ベンチで何やってるバッターサークルにいろ。」東條さんが言った。
「すいません、本多さん。次の打席があること忘れてました。」僕がいった。
「いや、ちょっとサボってただけだ。」本多さんが言った。
僕は、水を取りに荷物置き場に言った。
「やあ、藤沢くん」桜庭が言った。
「おお、桜庭。スタメン一緒だから頑張ろうな」僕が言った。
「ポッキーいる。」桜庭が言った。
「なんでポッキーもってるの」
「試合出ると。おなかすくから内緒でいつも食べてるんだよね。
これはつまみ用。」
「まじか。つまみにポッキー持ってるやつがいるとは」
「最近ポッキーも味がいろいろあってね。これあげるよ」
「ありがとう。」僕はもらった。
今は食べれないから後で食べようと思った。
「そういえば、こないだ。たぬきが出たらしい。」桜庭が言った。
「ふーん。田舎だし」
「おじいさんが見つけて、たぬきうどんにしたらしいよ」
「それ、ほんと?」僕が言った。
ベンチに戻ると。ちょうど1番の本多さんがヒットをセンター前に打ったところだった。
さすが、本多さんだなと思った。
2アウトランナー1塁で
2番安原さん。
6球目の高めのストレートをとらえてセンターにもっていくが
センター正面でアウト。
3アウトチェンジとなった。
4回表、僕は3年生後藤さんと交代になった。
あらかじめ、交代すると言われていたのでショックはなかったが、
せめて5回まで試合に出たかったと思った。
これは人数調整なのでしょうがない。
レフトに後藤さんが入っていく。
「藤沢、つぎあるから前向け」1年生の上坂が言った。
「ああ、ありがとう。」僕は言った。
「いやそれにしても松宮さんのバッティングすごいよな」上坂が言った。
「まあね。上坂も試合出たかった?」
「いや、明日出れるから特に困ってない。」
「最近、面白いことあった?」
「面白いことは、大道芸見に来たんだけど。出ている人の場の盛り上げ方が
すごいと思った。」
「ああ、大道芸か。昔に見たな。」僕が言った
「繰り出される技が、普通にすごかった。」
「何かある特技っていいよね」
「だね。たとえば、歌声がうまいとか」
「それいいね」僕が言った。
「歌上手い人って人をひきつけるの知ってた?」
「いや、テレビでしか見たことないから分からない。」
「ほんとに上手い人はやっぱり人を引き寄せる。ライブだとみんな集まる。」
「へぇ、そうなんだ。」
「人ってみんな特技があるのかもな」
「空を飛べるなら飛びたいな。」
「急にかなえられない夢を語られても困る。」上坂が言った。
「みんなが特技があるなら、俺は空を飛びたい。」僕が言った。
「もし仮に、空を飛べたとしたら、研究されるよ」
「それは嫌だな。もっとロマンティックになろうよ」
「飛行機だって、空を飛べると思ってつくったんじゃない?」
「飛行機って今やただの移動手段だもんな」
「空飛ぶ車でもできるのかな」
「飛行機で窓の外眺めても雲ばっかりだし。空を飛べる感覚ないね」僕が言った。
「試合が、4回表が終わったみたいだ。」上坂が言った。
「ほんとだ。」
4番の露木が本城のストレートについていけなくて
空振り三振。
5番 市田がセカンドゴロ。
6番 北川が3球目のフォークボールを引っかけてピッチャーゴロ
3アウトチェンジとなっていた。
藤沢の青春の高校野球 Taku @Taku777701
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