第4話 転機

毎日同じ朝。

子供を送り出し、昨日と同じ作業に襲われる。

昨日までなんとも思っていなかったのに、今日はどこか違う。

なんでこんなことしてるんだろう、私はもっとやりたいことがあったのに…


わかってる。過去には戻れない。

あの日、あの時の判断の終結が今を作っているんだから。

何億通りもの分岐点の結果が「今」なんだから。


ため息をつく自分を奮い立たせて、買い物に出かけることにした。

自分の好きな献立なんて作れない。家族のための夕飯の材料を買いに行く。

なんでこんな人生になったんだろう。


横断歩道の先にはいつものスーパー。

その時、私の耳には、爆走する車の爆音は耳に入ってこなかった。

それほどその時の私は人生に悲観していたのかもしれない。

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あの日の景色 @naomizuki

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