第3話

今の、大人になった私ならわかる。

彼の好意。

いや、あの時も感じていた。でも、幼い私には対応のしかたがわからなかったのだ。


もし、過去に戻れるなら

私は迷わずあの瞬間に戻る。


結局彼とはクラスが離れ、それでも示される彼からの好意を、私はどうすることもできずにいた。

たった一言、自分の気持ちを伝えればいいだけだったのに。


そんな私に見切りをつけた彼は、友人の紹介で同級生の女の子と付き合いだした。

そうなるよね。当然。


それでも私は、一緒に行こうと話した高校を目指して勉強に励んだ。


しかしある日、彼が別の高校に推薦入学が決まったことを知る。

その瞬間、私の受験勉強も終わり、私は合格圏内の高校を選び、別々の人生を歩み始めた。


しかし、今目の前で無邪気にはしゃぐ子供たちを見ていると、その選択も間違いではなかったのだろう。


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