第2話
あの日。
教室はいつもと同じ騒がしさだった。
休み時間のあの瞬間だけ、私の中の時間が止まった。
男子4人(ひとりは不登校)、女子2人の私たちのグループは、休み時間も席を動くことなく、ひたすらくだらない話をして一日を過ごしていた。
中学2年、あの時君はこう言ったよね。
「来年も、大坂さんと同じクラスになりたいな。」
多感な年頃。まるで告白のようなこの言葉に、私はどう返せばいいのかわからなかった。
助けを求めたリエは下を向いたままこちらを見ようともしない。
え?まって!
ショウゴもサトウも決して目を合わせない。
私とユウの時間は静かに流れた。
私は子供だったのだ。
その時、どう言えばいいのか、わからなかった。
いや、違う。
思いのままを言えるほど大人ではなかったのだ。
「何言ってんの!」
私はごまかしてその場をやり過ごした。
どれだけ時が流れても、この後悔は消えることがない。
「うん!私も!」
たったその一言が言えていたなら、私の人生は変わっていたのかもしれない。
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