男2

エイプリルフールだからそれが嘘だとわかっていても、大好きな彼女に別れようって言われてすんげーショックだった。だから俺も嘘をついた。ちょっとムキになりすぎて俺的には大博打だったけど。


いやだ別れたくないと言われて心底ホッとした。俺だっていやだ別れたくないずっと一緒にいたい。おかげで自分の気持ちがハッキリした。


そこまで自信があるわけではないけども。

言うならもう今しかないと思ったわけで。


くるりと向き合い彼女を抱きしめた。


ずっと言おうと思ってたことがある。

いつか言おうと思ってたことがある。



「俺たちそろそろ――」



どうやって言おうかと思ってた言葉がある。



「結婚しませんか」

「ヤダーーッ!!」



やっと言えた言葉は彼女の叫びに掻き消された。



「え、やなの?」

「今、なんて?」


絶対にちゃんと聞こえているであろう俺の言葉を確認する彼女の顔がかわいくて。


「結婚してください」


ずっと一緒にいたい。


「…ウソ…」


この顔をずっと見ていたい。


「嘘じゃないよ」


「…だって今日…エイプリルフールじゃん」


この声をずっと聞いていたい。


「もうとっくに過ぎてるよ」


「嘘じゃないよね?嘘でーすとか言わないよね?」


かわいい顔してとんでもない嘘をついたくせに、俺のプロポーズを嘘だと信じてくれない彼女が憎たらしくて愛しくて。


「結婚してくれますか?」


「はい…お願いします」


俺に抱きついてきた彼女を更に強く抱きしめた。


「あーよかった」


「嬉しい…ありがとう」


そのままベッドに身体を倒してキスをする。



「…来年のエイプリルフールに「離婚しましょう」とか絶対にやめてくれよ」


「え」


「あ、なんだ今の「ヤバ!バレた!」みたいな顔は」


「おやすみなさーい!うふふ」



布団の中に逃げた彼女を朝までめちゃくちゃに抱く事を決意した4月2日の0:30。


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4月1日 まりも @maho-marimo

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