オットセイ声が出ちゃう女の子たち

第２オットセイ『シュールストレミング』

「こんちはー、ゆうりです！」

動画配信者のゆうりは自分の前にセットしたスマホの

レンズに向かってピースをする。

チャンネル登録者約２００人ほどのゆうりは、日々様々な動画をアップして、トップ配信者を目指している。

「今日はこれを食べます！」

ゆうりは机の下から缶詰を出しスマホに向ける。

缶詰の側面には『シュールストレミング』と書かれていた。

『シュールストレミング。スウェーデンの食べ物で、ニシンを塩水で浸けたものである』

「これは匂いがすごいらしくて、テレビとかでも罰ゲームで使われてますよね！今回はこれを食べようと思うのでさっそく開けてみます！」

ゆうりは缶詰のステインオンタブに指をかけ、

一気に開ける。

「んほぉ！くっさ！やべぇぇ！ああくっさぁぁ！」

缶詰の中から出てきた匂いをゆうりの鼻が嗅いだ

瞬間、オットセイ声が出てしまう。

「これやべっ！ダメなやつ！ぜったい嗅いじゃいけないやつぅぅ！！ばかににゃるっ！あなっ！鼻のあな壊れるっ！？んほぉぉぉぉぉっ！！」

ゆうりは鼻をつまみながらバタバタと床の上で悶える。

「取れないぃぃぃ！この匂い取れなくなっちゃうぅぅっ！ずっと臭いぃぃ、こびりついてる！鼻の粘膜にべっとり臭いの付いちゃってるぅぅ！！おぉぉぉ！やべぇぇぇ！おっ！おっ！おぉぉぉぉぉ！！」

刺激臭に目をうるませながら、ゆうりは缶詰を開けたことを心の底から後悔してした。

ーーーその後、この動画はプチバズりして、

ゆうりは一部の界隈から注目されることになった。