Episode:3 仲良くなった
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「まぁ、ひとまず話をしちゃうね。」
「はい」
「ん」
と公爵様の言葉に私とヴァルと呼ばれた少年が頷いた。
「まず少しだけこの家、サンダスト公爵家のことについて話そう。」
少し真剣な話というのがわかると私は即座にシズの食事の手を止め、話を聞かせることにした。
「この家は、英雄と呼ばれる超人が多く派出された家なんだ。」
その言葉に私は耳を疑った。
英雄とはおとぎ話の勇者なんかに近い存在で莫大な魔力、異常なまでの戦闘のセンスなどを持ち合わせる一騎当千の戦士のことだ。
「…幼い頃に様々な英雄の話をメイドや執事から聞かされてたけれどもほとんどが身内の話だったってこと?」
「そうだね。ほとんどっていうかすべてじゃない?僕がそう指示してたんだし。」
さすがのシズも口をポカーンと開けながら固まっていた。はしたないのでその口は閉じておいた。
「ま、そういうわけだから!君たち四人には英雄四人組のパーティーになってもらうからそのつもりでね!」
「は、はぁ?」
口いっぱいにパンを頬張っていた少年リクがようやく声を出した。
「なんでこんな奴らとパーティーを組まなきゃいけないの?ていうか父上とその二人はどういう関係なの?」
「あぁ!その説明がまだだったね!君たちはね」
公爵様の話を聞きながらもずっと気になっていたことが分かる。
息を呑んで説明を待つ。
「同じ日に同じような境遇で親に手放された優秀な英雄の卵なんだよ。」
「・・・・・」
「へ〜〜〜…つまりこの姉妹は僕たちと同じタイミングでこの屋敷に来て別々に育てられたってこと?」
「そういうことだね!」
「ずっと私達には話してくれなかったんだね…」
「ごめんよぉぉぉ!!絶対にトラブルになると思ってたから言えなかったんだよぉぉ。」
「「まぁ、実際なってますが・・・・・」」
と机を挟んだ向こう側を私とヴァルが見た。
そこでは
「僕とヴァル兄さんのほうが強いし公爵様のお気に入りなんだ!!」
「違うもん!!私とお姉ちゃんのほうが強くてお父さんのお気に入りなんだもん!」
「お、お父様!?そんなふうに呼ぶなんて失礼だろう!」
「お父様が許してくれてるもーん!ねぇ!お父様!」
「そうだねぇ!シズ!!」
「「・・・・・・・」」
私とヴァルは目を合わせて
「俺達だけは協力しようか」
「そうね。流石にこの三人は一人では手に負えないわ。」
と協力関係を結んだ。
(その時の公爵)
「(あぁ!!シズとレクが私を取り合ってくれている!!これだけで僕は幸せものだ!!!!!しかも反対側ではアテネとヴァルがテを取り合っている!!!最高だ!!!!)」
と悶えていた。
拾われた僕たち私達は英雄になるらしい〜より親貴族の教育は英雄育成用〜 神埼ミクル @knock9990
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