Episode:2 知らない男の子

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「それじゃ朝食に行こうか!」

「うん!」


ウキウキのバカ二人の後ろを私はゆっくり歩いていると公爵様が


「さっきも言ったけど今日は合わせたい人がいるから」

「それってどんな人?」

「いい人だよ」


とシズの問に公爵様が答える。

食事室の扉の前につくと公爵様が


「もうこの中にいるから」

「え、」

「ほんと!早く早く!!」


待って、いきなり過ぎっ


そんな思いも虚しくその扉は公爵様の手によって開かれた。

その瞬間シズの姿が消えた。


ガギンッ


シズは残像を残すほどの速度でこの部屋を満たすの発生源である少年に蹴りを放った。

ちょっとした木ならへし折れるほどの威力の蹴りだ。

魔法使いだとしたら簡単に止められるものではないのだが、その蹴りは相手の蹴りによって相殺されてしまった。


「なっ」

「危ないなぁ、僕の兄さんになにするの?」


そう言い放ったの少年はハイライトのない黄色い目をこちらに向けた。

「っ!…」


その少年の魔力は眩い光

兄弟で相反する力を持っている。

私達とだった。


「うーん、、、やっぱりそうなったか〜」

「「公爵様」」


闇の少年と私の声が重なる


「このガキは誰ですか」

「この邪悪な存在はなんですか」


同じタイミングで私と闇の少年が問いを投げかける


「あはは・・・」


「改めて紹介するね。こっちの兄弟がレクとヴァル、こっちの姉妹がアテネとシズ、仲良くしてね」


「「無理です」」


「だよねぇ」


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公爵SIDE


あ〜やっぱこうなるよねぇ


弟のレクと妹のシズは睨み合ってて火花がバチバチしてるし

兄のヴァルと姉のアテネは後ろに炎がメラメラ見えるし


似たもの同士なんだよなぁ…


「まぁまぁ四人とも。今日は君たちに話があって集めたんだから一回座ろう?」


「…はい」

「わかった」

「ん」

「はーい」


とヴァルたちとアテネたちが向かい合うようにして座らせる。


「話なんだけど、ご飯を食べながら話すね」


チリン


とベルを鳴らすとメイドが5人分の朝食を持ってきてくれた。


「朝食のご説明は必要でしょうか?」

「いや、大丈夫だよ。」

「かしこまりました。失礼します。」


とメイドは部屋から出ていった。

「さぁ。まずは食べようかって…」


「美味しそう!!!」

「…美味い」


「もう食べてた…」

「リク…」

「シズも…」


兄姉僕は少し顔を見合わせて

「「「はぁ…」」」

とため息を付いた。

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