第4話

「おい、あの子めちゃくちゃ可愛くないか?」

「ほんとだ。アイドルやモデルみたい」

「どこの人だろう?」

「俺、声かけてみようかな?」

「間違いなく俺もお前も相手にされないぞ」

「いいなーあの人みたいに私も綺麗になりたい」

「顔も体形も文句なしってやばくない?」

歩く度、賛辞が飛び交う。

すーちゃんは欣快そうだ。

「ダーリンからも私に何か言う事ないのー?☆」

密着してくる。

いい香りが鼻腔を刺激する。

「あ、あははは」

「当惑しているの可愛いねー♡」

男性の方から嫉妬の眼差しが突き刺さる様に向けられる。

悪い事をしていないのに、申し訳ない感じがある。

「いっぱい動いて、お腹空かして私のお弁当を食べようね」

無垢な笑顔を向ける。

「はい」

僕も笑顔で応じた。

僕達は色んな景色を見てまわった。

高くそびえ立つビルや、綺麗な水が流れる川。

気持ちよさそうに眠る猫、広くて心地よい波音を出す海。

すーちゃんの瞳が感動を真率に表していた。

「ダーリン。お腹もいい具合に空いてきたんじゃない?☆」

「そうですね。僕もそろそろ食べたいなと思いました」

「じゃあ、ここで食べよ」

浜辺に座り、昼食を取る事に。

「いっぱい作ったよー」

サンドウィッチ、おにぎり、カツ、卵焼き、ハンバーグなど、僕の大好きな

ものたちばかりだった。

「おぉ、すごい」

「ダーリンのために頑張ったんだよ☆」

「ありがとうございます。食べてもいいですか?」

「うん、食べて☆」

「ありがとうございます。いただきます」

予想に相違なく本当にとても美味しかった。

僕自身にはとても作れないであろう料理を彼女は簡単に作って見せる。

流石だ。

「いい食べっぷりだね、嬉しい♡」

「本当に美味しいです。箸が止まらない」

全ての料理を完食すると、良い塩梅に眠気が出てきた。

「ダーリン眠たいの?」

「はい、眠たくなってきました」

「なら、ここ」

ご自身の膝をぽんぽんと叩く。

「膝枕ですか?」

「その通りー☆さ、おいで」

「いや、それは」

遠慮いたしますと申し上げようとしたが、引っ張られて、強引に膝枕された。

すーちゃんの膝はとても柔らかくて、その上いい香りもして、

更に眠気が強くなる。

「力抜いて、私に身を委ねて?」

優しい声だ。

自然に力が抜けてリラックスしていく。

完全に脱力した時、意識は途絶えた。

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