「誰も見たことのない作品」を目指すのは、大いなる落とし穴であるという話
リアルがリアルに忙しくて、更新どころかプロット作りすら進んでない夜行虫です。苦しい…、苦しい…。
苦しんでいる最中に舞い降りる★は、さながら砂漠に湧いた一坪の泉。ほんまにありがとうございます。誰かからの反応があるということ。それはきっと、僕はこの世に一人きりではないのだということ。
さて、この作品『ならでは』のものがほしい――講評でこんなことを書かれた人、黙って手をあげなさい。はい僕です生まれてきてすみませんでした。
これは新人賞特有のものだと思いますが(※Webのランキングバトルはまた事情が違うと思います)、これ結構塩梅が難しいと思うんですよね…。
『ならでは』のものが欲しいって言われると、『そうか! 誰も見たことのない作品を作らなきゃダメなんだ!』ってなるじゃないですか。でも、そうじゃないんですよ。それは落とし穴なんだ。
一から十まで、今のエンタメ界隈で見たことないものを作る。できたらそれは途轍もなく凄いことです。
けどそれを作品として仕上げ、祈りとともに投稿ボタンをタップする前に、僕らはこれを自らに問わねばなりません。
『それ、本当に理解してもらえる?』
面白く読めるのは実は自分だけだったりしませんか?
読んでくれた友達が「よくわからんかった」って顔をしてませんか?
一から十まで斬新なもので固められた作品って、往々にして理解しにくいものです。せっかく「面白い」作品だったとしても、理解してもらえなければ意味がないんですね。
「誰も見たことのない作品」を目指すのは、大いなる落とし穴だと僕は思います。
数回前にご紹介した『SAVE THE CAT』で、こんなことが書かれていたのを覚えている人も多いと思います。売れる企画を求めるプロデューサーが、シナリオライターに言い放ったセリフです。
「同じだけど、違うものがほしいんだ!」
作品から『ガワ』を残らず削ぎ落した時に残る『面白さ』は、案外共通してることも多いし、組み合わせで新しいものが生まれることもあるのは前述した通りです。
たとえば、『サッカー』をテーマにした作品を作ろうとしたとします。
普通の高校生がサッカーを始め、選手権に挑み、勝ち上がっていく――みたいな。一つの作品に仕上げるのはさほど難しくなさそうですが、正直なことを言うと『それ、見たことあるよね』感、あるんじゃないでしょうか。
それ、どこかで見たことあるよね。そういう『新味のなさ』は、新人賞を狙っていく僕らにとって、大きなマイナスポイントであるのもまた事実。
内包する『面白さ』は保ったまま、ガワや組み合わせを工夫することによって、『それ、見たことない』感を出していく。そういう手管が、僕ら限界投稿者には必要なんじゃないかと思います。
簡単に言ってますが、とても難しい話ですし、うまくできるのであれば僕はとっくの昔にデビューしています。やっていきましょう…。
限界ラノベ新人賞投稿者の戯言 夜行虫 @night_bug
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