主人公の活躍をいかに『気持ちよく』描くかに、僕らは多くのリソースを割くべきなんじゃないかという話

いやー今週のブルーロック、キレッキレでしたね!


今さら読んだんですけど、興奮冷めやらぬままこの記事を書いてます。凛を論破し、返す刀でロキを煽り、世界の頂点ノエル・ノアに挑戦状を叩きつける。あの煽り芸こそ、潔世一の真骨頂といった趣きでした。


当たり前の話なんですけど、やっぱり主人公が活躍するのって気持ちいいんですよね。


最近の傾向でもあると思うんですが、『面白い』の大きな部分を支えているのは、『気持ちいい』って感覚なんじゃないかと、個人的には考えています。


『ブルーロック』の序盤、二子のチームに潔のダイレクトシュートで勝った時ですが、図らずも潔は『気持ちいい』と感じています。


勝つことは、『気持ちいい』。


潔が感じた『気持ちいい』という感覚は、きっと読者も共有しているはずです。


主人公が勝ったり、活躍するのは『気持ちいい』。『気持ちいい』から、読み手は爽快感とともに『面白い』と感じるんじゃないでしょうか。


創作者ならみんなある程度はわかってもらえると思うんですけど、主人公を活躍させたりイキらせたりすることに、恥ずかしさみたいな感覚を持ったことがある人、多いんじゃないかと思います。


イキってると思われたくないから描写を抑えたり、曖昧な決着にしたり…そういう展開が味になるケースもあるとは思うんですが、主人公の活躍を志向するメジャーなエンタメ作品を作りたいと思うなら、『主人公をいかにカッコよく活躍させるか』という課題から逃げるわけにはいかないと思うんですよね。


僕は結構テレちゃう方なので自戒を込めて言うんですが、主人公をいかにカッコよく活躍させるかに、僕らは多くのリソースを割くべきなんだと思います。


『ブルーロック』の潔は言うに及ばず、『推しの子』での『恋あま』や『今ガチ』でのアクア、『よう実』の影から操る綾小路の立ち回り、『アオアシ』の葦人の覚醒。


主人公の活躍をいかに『気持ちよく』描くか。


エンタメ作家の、腕の見せどころってやつですね。



以下、蛇足。


コメントとかで「最近◯◯あんまり面白くない」と言われる作品の多くは、以前までは活躍していた主人公が活躍できない展開が長く続いている時に言われがちだったりします。


別パターンとして、主人公の活躍パターンが決まってきて、読み手にとって刺激的な展開にならない場合も言われます。


主人公の後の活躍が期待できる場合にはまだ耐えられるんですが、後の活躍が期待できなくなると途端に厳しくなる印象です。


書籍ベースの分量でのコントロールならなんとかなりますが、WEBでよくある超長編や、長期連載漫画の規模感でそれをやるのは並大抵のことではありません。


いやほんと、超長編やれる人はすげーわと、夜行虫はよく思っています。

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