第14話 体育祭準備は少し忙しい!、、、、かも?(その5)
「おはよ〜」
「「「おはよ〜」」」
少し元気なさげに挨拶する俺に少し心配そうな顔をする3人。俺は椅子に座って項垂れる。
「
「ぁ、横弾幕と団旗?」
「、、、、団旗の方はもう完成して団長達からのOK貰った、、、、けど横弾幕だけは、、まだ〜」
「
「何か、良いアイディアない〜?」
俺がそう聞くと
「兎と虎の構図なんでしょ?なら、兎の群れに虎が居るって感じにしたら?」
「それも良いと思うけど、それだと塗るの大変」
「、ぁ、そうだ。四字熟語は?それ赤髪なんなの?」
「「ぁ〜、それはね〜 【百花繚乱】だよ」」
「「百花繚乱?!」」
「何で!?」
「何か、沢山の人々が居る中で俺ら赤組と言う花が咲き乱れて勝利を掴むって言う事らしいよ」
「「へ、へぇ〜」」
「俺らが決めたんじゃないからね。結何てこの四字熟語でもっと混乱してるんだから、!」
晴樹が俺の肩をポンと叩いたかと思ったら掴んで、そう言ってくれて結構嬉しくて泣きそうになった。
が、もっと泣きそうになった事がある。
・・・・・・・・・・・・・・
「はい、では今日から体育祭までの2日間は朝からの練習、そして放課後の練習は無しという事で今日、明日は皆さんゆっくりしてください」
「!!!!!!」
昼休み前に行われた全校集会でそう言われて、俺は嬉しくなって叫びそうになったが、注目されるのは勘弁なので、辞めた。教室に帰るまでに、ある人達と出会った。
「!!
「ぉ、結やん。ぁ、今日の全校集会聞いたよな?」
「うん、!」
「今日の夕飯は、俺の魚料理尽でおなしゃっす」
「はーい、!期待しといて!」
俺が元気良くそう言ったら、背後からあの声が聞こえた。
「
「ギャッ
「酷い、!私のこの格好が変なの!?」
悲しそうな顔をしながら野崎先輩がそう聞く。
「はぁ!?今んな話してへんやろ。、、別に、その格好は変やないし、お前は普通に女子に見えるわ」
「!!やっぱり、蘭夜君は素敵〜!!」
すぐに笑顔になって蘭に抱きつこうとするが、華麗に避けられている。
「、、、、何か野崎先輩、蘭君先輩への接し方前より大人しい気がしますね」
「、、気が付いた?何か、この前から少し大人しいんだよね〜、」
「蘭は気付いてないみたいだけど」
「野崎先輩の蘭君への愛が重いよね。まぁ、蘭君の結人への愛には負けるけど」
「何でそこで貼り合わせたいのかな?菜月」
「結はもう少し蘭夜君が嫉妬魔なのに気付きなよ」
「気付きたくないんだよ」
何て言う俺らがそんな会話をしていると争っていた蘭と野崎先輩の戦いは最終局面を迎えていた。
「あぁ、もう!俺は好きな人にしか興味ない!好きな人以外に付き合う事もキスする事も、抱きしめる事もその他やって絶対せーへん!」
「!!!! /////////」
「「「ヒュゥ〜」」」
蘭の言葉で俺は一瞬で顔が赤くなってしまった。本当に、無意識で照れさせているのだったらタチが悪いが、蘭の場合無意識ではないのが本当に恥ずかしい。
「、、、、〜〜!!蘭夜君、他の人を好きにならないの!?」
「ならへんね。やって好きな人は俺の初恋の人やし」
「、、、、可笑しいでしょ!他に好きな人居たって!」
野崎先輩が大きな声で指を指しながら叫んでいると、蘭は真面目な顔で口を開く。
「それはお前の恋愛観でやろ?1人の人を好きで居続ける人やって歩きに待っとるやろ。恋愛もやけど、人それぞれの感性を持っとるんやから」
蘭の言葉でクリティカルヒットした野崎先輩は、グッ と言いながら左膝を地面に付けて顔を俯いたかと思えば、顔を上げてこちらを見る。
「、、、、ぉ、」
「「「「「「「ぉ?」」」」」」」
「覚えてろよ〜!!」
野崎先輩は大きな声で叫びながら階段を駆け上がった。その後を追うものは居ない。
残った俺達は少し話す事にした。蘭は俺の隣に居てピタッと肩と肩を付けて、少し照れるが気にしない事に決めた。
「野崎先輩って蘭君先輩の事好き過ぎじゃないですか?」
「確かに、いつから野崎先輩は蘭君の事好きなの?新学期から?」
菜月の言葉で蘭達の顔は少し曇り始めた。中々喋ろうとしない3人に俺達は顔を見合わせて、3人の顔をじっと、見つめる。
「「「「ジィーーーーーー」」」」
「「「、、、、、、、、」」」
それでも話そうとしないので、ジリジリと囲う様に詰め寄る。
「「「「ジィーーーーーーーー」」」」
「「「、、、、〜〜!!」」」
俺達の圧に押し負けてしまった3人は口を開いた。話してくれたのは、
「、、はぁ、話せば良いんでしょ。話せば」
「最初から素直になれば良いのに、本当にこれでも話さなかったら、これ使うところだった」
菜月が呆れながらズボンのポッケから見える様に少し出したのは、激辛ソースだった。
それを見た2人の表情は一気に血の気が引き、他1名の反応は、反対の意味でヤバかった。
「!それ、激辛好きでも有名なソースじゃん!俺でも手に入れられなかったやつ!」
「尚也先輩なら、知ってると思ってた!これにかけるラーメンが結構美味いんですよね!」
「「何で、そんなもんで話が合うんじゃ、!」」
血の気が引いたまま菜月と尚也先輩に声をあげる蘭と真斗先輩に少し笑ってしまった。
そんな茶番も終わり、真斗先輩がちゃんと話してくれた。
「野崎は、転校して来た日、初日に「ぁ、!蘭夜君だ!!やっぱり写真で見るよりも実物の方が何倍もカッコいい!!」って言ってたんだよ」
「「「「ぇ!!」」」」
俺達は驚きながらも蘭と尚也先輩の方を見ると、2人も真斗先輩の言葉に同意する様に頷く。
「分かるよ。驚くのは、だって野崎と蘭夜が会ったのはこの日が初めてなのに、何で知ってたのか。そして、写真とは?」
「俺ら3人も気になってはいるけど、アイツのあの感じもあって聞こうにも俺は聞けへん」
「「「「ぁ〜」」」」
蘭の疲れた表情をして俺達は納得する様に頷く。
「て事は、誰かが蘭の写真を撮ってその写真を野崎先輩に見せたって事になるよね」
「だよな、!蘭夜君のファンの子とかと知り合いとか親戚でその写真を見たって事あり得るよな!」
「その場合蘭君先輩、ファン多すぎて分からないけどね」
晴樹の言葉でみんな一斉に黙ってしまった。蘭のファンは1年2年の半分以上は蘭の事憧れてたりするんだよね。特定するのは難しいが、俺はある言葉を思い出した。
「、、、、ぁ 「(あの人、湊斗さんの亜種だ)」」
あの言葉を思い出した。もしかしたら、俺はそう思って、6人に目を向ける。
「もしかしたら、誰が蘭の写真撮って野崎先輩に見せた人か分かるかも」
「「「「「「ぇ!?」」」」」」
「まだ、確証は得れてないけどもしかしたら、だけど」
「それでもええわ!俺の写真無断で撮ってアイツに見せた奴、とっ捕まえたいんよ!」
蘭の懇願する表情に少し可愛いと思えてしまったが、その気持ちをなくす様に少し頭を振る。
「ブンブンッ ま、任せて!蘭の為に俺頑張る!」
俺達はそんな会話をした後、各自教室に戻り昼ご飯を食べる。
食べ終わったら授業を受けて終わったら学校を出て家に帰る。家に帰る途中で色んな花達が目に入って綺麗だと感じながら家に着いた。
家に着いたら夜ご飯を作って蘭と一緒に夜ご飯を食べながら、スマホを操作する。
「モグモグモグモグッ 、、、、」
「結〜何見てんの?」
「ん?ぁ、あぁ、横弾幕に合う様なイラスト見ててさ」
「まぁだ、悩んでんの?結って本当そー言うの凝り性って言うか全力出さないと嫌な性格やな」
蘭に言われて俺は図星で顔を下に向ける。好きな事は全力でやらないと何か身体がザワザワするからだ。
そんな事を思いながらスマホの画面を見ていたら、帰りに見た花達の花言葉を気になって花言葉 一覧 と検索した。
出て来た花言葉達を見ていく中で、俺の誕生花が分かった。
「、、、、俺のは、、、ングッ ケホケホッ 」
「?、、結、どうしたん?」
「ぃ、いや何でも無い、!何でもないよ」
俺は自分の誕生花を見てびっくりしてしまった。何故なら、4月8日【恋に酔う・決して離れない】だった。俺はこー言うのもアレだがめっちゃ合う!確かに蘭との恋に良い意味で酔ってはいるけど〜!何て思いながら、蘭の誕生日1月12日は【優美・美しさに勝る価値】。確かに、蘭は美しいけどそれに勝る価値はあるな。存在自体が美しいし、、、、
俺と蘭の花言葉に納得した。
「パクッ 、モグモグ 、、、、(やっぱり、いつ見ても綺麗な顔だな〜。はぁ〜、好き)」
「ん?何?俺の顔に何か付いとる?(可愛い顔で俺を見つめるなよ。照れるやんか)」
「いや、、、、ぁ」
蘭の顔を見ていたら、ある事を思い出した。蘭が昼に言っていた「それはお前の恋愛観でやろ?1人の人を好きで居続ける人やって歩きに待っとるやろ。恋愛もやけど、人それぞれの感性を持っとるんやから」と言う言葉を、
そして朝に言った四字熟語【百花繚乱】、、、、そしてスマホ画面に映っている花言葉達、、、、俺はこの3つが掛け合わさったデザインが頭の中に浮かび上がった。
ガタンッ
「!、、、、、、、」
「ビクッ ゅ、結どうしたん?」
俺はデザインが思い付いた興奮感で椅子から立ち上がっていた。蘭は驚いた表情で俺を見つめている。
「、、、、何でも無い。いや、蘭、ありがと、!」
「ぇ?何が?ぇ、ちょっ」
「パクパクッ モグモグモグモグッ ゴクゴクッ 」
俺は急いでご飯を食べ終わって、再び立ち上がって食器類をキッチンに置いて2階に上がろうと出ようとする前に蘭の方を見る。蘭の方を見て大きな声で、
「マジ、蘭大好き!ぁ、後食器洗っといて!」
「ぇ、ちょっ、待っ 」
タタタッ タタタッ
蘭の混乱している声を無視して俺は2階に上がって自室に入ってすぐに椅子に座って机に向かい、タブレットの電源を付けて、タッチペンを手に持ち、服を腕まくりする。
「よし、!いっちょやりますか!」
俺は意気込んで、横弾幕のデザインを描いていく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コトッ
「、、、、フゥ 完成、、っ、疲れ、た」
数時間後、何時間経ったか分からないがやっと横弾幕のデザインが完成し、俺はタッチペンを置く。
俺は強張っていた身体が解れる感覚になって脱力感が襲って来た。腕を伸ばしてスマホで時間を確認する。
「ん〜、、、、今何時だ〜、、、、6時?」
スマホの時間を見て時間の経過にビックリを通り越して、硬直してしまった。俺は興奮していたのか、全然眠くない。
俺は眠くない今を機に、スマホを操作してある人物に電話を掛ける。
「プルルルルル プルルルルル ぁ、もしもし、姉さん?ぁ、うん、俺、結人。うん、ちょっとさ、姉さん達に協力して貰いたい事があってさ、、、、うん。本当?ありがと、詳しい事は今から話すね、、、、、、、、
うん、じゃ、体育祭当日はよろしくお願い。じゃ、朝から電話ごめんね」 ピッ
俺は電話を切って風呂に入ろうと1階に降りて追い焚きをしてからキッチンに足を向けて朝ご飯とお弁当を作る為に炊飯器をセットして、お弁当用の卵焼きを作りブロッコリーを茹で、前日に作って置いたハンバーグを焼き、事前に生成しておいたコロッケを揚げたら、お風呂に入る。
チャプッ
「はぁ〜、眠いけど、寝たらダメだな〜、それに学校行って
俺はそう言いながら、お風呂で温まる。眠らない様に両手で頬を軽くペシッとする。OKを貰うまでは多分緊張してしまうから、家に居るまではリラックスしたいなと思いながら、湯船から出る。
【新編突入!】双子?の俺らは恋愛真っ只中 橋本衣 @yuitakahasi
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