勇者殺しの偉大な魔導師
夢生
プロローグ
勇者は、悪だ。
少なくとも、この世界では。
勇者は突然変わってしまった。
何人も仲間外ながら、それでも弱みに漬け込まれて。
もしかしたら止められたのかもしれない、
もっと未来を変えられたかもしれない…
でもそんなことを思ったってもう遅い。
だから、
「全て、この手で終わらせる」
◆◇◆◇◆◇
「くたばれ!!」
そういうと勇者ラージルは俺に向かって
「相殺魔法《アンチマジック》」
俺はそれを難なく魔法で打ち消す。
「ッチ、これも効かねえのか」
勇者の必殺の一撃が効かないとわかるや否やその隣にいた魔王がすかさず俺に全力の一撃を当てに来る。
「
その瞬間俺は剣を構えていたラージルと俺の位置を交換した。
「は?」
そんな間抜けな声をラージルが出したのは数秒後の事だった。
「ぐはッ」
魔王はそういうと吐血しながら勇者にもたれ掛かった。
その腹部には勇者の構えていた聖剣が刺さっていた。
「お前、魔王様に何をした!!」
ようやく状況を理解したラージルが俺に怒りを込めて問いかけてくる。
「何をしたって、俺はただお前と場所を入れ換えただけ。魔王に刺したのは他でもないお前自身だ。」
そう言うとラージルは膝から崩れ落ちた。
「そんな...俺が...嘘だ...」
そんなことを言うラージルに俺はひとつの魔法をかける
「
ラージルはそのままなにも言わず倒れた。
「ああ、やっと終わった...」
俺は戦いの疲れからその場で倒れこんでしまった。
そして走馬灯のようにこれまでの事を思い出した。
なぜこんなことになってしまったのかを...
勇者殺しの偉大な魔導師 夢生 @tomuu
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