第72話 Iam all about loving you
目が覚めると 泣きながら手をにぎりしめるセラがいた
「アリス」
「セラ …… あなた、泣いているの?
はじめて見たかも…… ごめんなさい 心配かけて」
「アリス、 いいんだ……」
セラは言葉にならず泣きながら手をにぎりしめている
私はそんな彼を強く抱きしめて
「ごめんなさい、もう大丈夫…… 幸せになろうね」
「ああ、アリス」そういいながら彼は私を抱きしめた
すぐにステインとキャロが入ってきて診察をしてもらった
倒れてから3日間眠っていたそうだ
その後、皆んなが部屋に入ってきて心配をかけたことをお詫びした
ステインは、「過労ということにしておこう」と言ってくれた
2日間は、式の前なのにセラは、私からべったり離れずゆっくりふたりで過ごした
そして、結婚式当日 タキシードとウェディングドレスをきたセラと私は、式の前にデューを呼んだ
「テリウス、悪いがやっぱり神殿ではなく、俺たち大切な人のところで式をあげてくる
必ず帰ってくるから みんなにはパーティー会場で待っててもらってくれ」
「え? セラ 待って 」
と、テリウスが言いかける前にセラは私を抱きかかえてデューの背中に飛び乗った
「デュー、目的地はわかっているな」
「ああ、当たり前だ 」
そう言って到着した場所は 精霊王様の扉がある草原
私が祈ると風が吹きサワサワと草が音を奏だした
音がザワザワと大きくなった瞬間大きな湖が目の前に広がった
蒼く広がる湖に私の右手薬指にはめたエメラルドグリーンの石から光が放たれ、湖の中央に大きな扉が現れた
私の足元から扉にむけて光る石が少しずつ現れる
セラに抱きかかえられ扉まで行き鍵をあけ扉を開くと彼は待ってくれていた
「精霊王様」
「アリス、セラ よく来たね
今日は結婚式だね
いい日になりそうだ」
「精霊王様、お願いがあります
私達の結婚の誓いを貴方に見届けて欲しい」
「もちろんだ、嬉しいね」
精霊王様と精霊達が見守る中 式は挙げられた
「私は、たとえ生まれ変わってもアリスを伴侶として愛し続けます」
「私は、たとえ生まれ変わってもセラを伴侶として愛し続けます」
「ふふ、少し愛が重いね
でも運命のふたりだから仕方ないか」
と精霊王様がそう笑いながら私達に祝福を授けてくれた
金色の光に包まれながら指輪の交換をし、誓いのキスをする
中々終わらないキスに
「ちょっと長すぎじゃないか」
とロイからクレームが出る程であった
「精霊王様、ありがとうございます」
「ふたりとも、これからどんな事があってもふたりなら大丈夫だ
私も、精霊達も見守っている
君たちならいつか人と精霊が優しく共存できる世界を作ってくれると信じている」
「精霊王様……」
「アリス、よく頑張ったね
幸せになるんだよ」
と精霊王様が私の頬にキスをした
デューに乗り領地の結婚式のガーデンパーティー会場へと戻った
戻ると案の定、セラはテリウス達に怒られていたが精霊王様の祝福を受けてキラキラ光っている
私達にそれ以上は言わずに笑っていた
パーティーには、本当に沢山の人と精霊達も集まっていた
みんなが祝福の言葉を一言ずつ大切そうに私達にプレゼントしてくれる
音楽が流れはじめるとセラが
「さあ、みんなで踊りましょう」
と呼びかけると 人も、精霊達もみんなでダンスをした
皆の沢山の祝福をうけて結婚式がおわり、
ふたりの部屋で夜を迎えた
ベッドの端に腰掛けセラと話をし、あの闇での出来事を話した
「私のこんな汚い部分ある事、隠したく無かったから話たけど幻滅したよね」
「いや、どんなアリスだって全てを愛しているよ
だってどれだけの時間一緒にいると思うんだ
実は負けず嫌いなところ、すぐに拗ねるところ 涙もろくて、自分に自信がもてないところそして誰にでも優しくしてしまうところ
きっと、君が知らない君も俺は知っているさ」
「私も、セラの全てが大好き」
「ああ、それはいつも つい君が俺が恥ずかしくなる程口にしているから知っているさ」とハハハと笑う
「もう!
でも私生きる意味を感じた時、一番に思ったの
私が今一番生きる意味があるとしたら全てにおいてあなたを愛する事だって……
きっとあなたを愛する為に今生きている」
「アリス…… 俺も同じ気持ちだよ」
そう言って、彼は、唇を落とし、夜がふたりを包んだ
翌朝、目が覚めると彼の眠る顔がすぐ側にあった
彼の長い髪が私にかかっている
寝顔にキスをすると彼に抱きつかれキスをされた
「寝たフリだったのね」そう怒ると
「ハハハ、ついついね ……
さあ、愛する奥さん今日も幸せな一日をはじめよう」
と彼は私を抱きしめた
朝の優しい光をあびながら
また、ふたりの一日が始まった
今日も、これからもずっとあなたを愛してる
魅了の力は封印するのでお姉様!ざまあ展開はご遠慮します! 瑠璃 @ruri0816
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