第23話 旅立ち
「いや、ミドスの貴族も動いてくれているが、ザイレムからの大きな実害がない今は、真剣には取り合ってくれないらしい。内部に火種を持った大国との関係に慎重になっているようだ」
ギルドマスターが答える。
「ここのギルドでなんとかするしかないと言うことか...」
「そうなりますね〜。ぜひとも皆さんにはお力添えいただきたく〜」
ラシャが頭を下げる。
その後、数日は大きな動きがなく、オリスとユリアは簡単な討伐クエストをこなして過ごした。
夜にはミドスの綺麗な夜景を見て歩いた。
2人はここにきた当日に見た噴水の広場にいた。
2人はベンチに座ると夜空を見上げる。星が煌びやかに輝いていた
2人は黙って星を眺めていた.....
しかし、やがてオリスが口を開いた
「ユリア」
「なぁに?」
ユリアがオリスを見る
2人は見つめ合う。ゆっくりと近づき2人は口付けを交わした.....
しばらくキスをした後、唇を離す。
「ここに来てからもう随分といろんなことがあったね」
「本当ね。ボラの村にいる時には信じられないような体験ばかりだった」
2人が微笑みながら話す
「でも、このミデスが一番いい。ユリアと一緒に暮らせるとは思わなかったよ」
「私もよ!あなたといる時が一番楽しい!そうだ。あなたに渡しものがあるの?貰ってくれる?」
「なに?」
「これは私の家に伝わる古い指輪なの」
「あぁ、あの時、拾っていたものかぁ」
オリスは2人で村を見に行った際にユリアが何かを探していたのを思い出す。
指輪には宝石などはついてなく、金属に簡単な彫刻が施された質素なものだった。
「これは生涯寄り添う相手に渡すものなのよ。受け取ってくれる?」
「もちろんだ。....ありがとう」
2人はもう一度キスをして寄り添い、そして、手を繋いで宿へと帰っていった.....。
翌日、ラシャの元に再び2人とカリサが呼び出された
「みなさん〜、 先日のお話の続きなんですが〜 、ザイレム家のことは調べられましたが、魔術師に関するものは分からなかったです〜」
ラシャはそう話した
「やはりそうか...」
「はい〜。 でも、エルデール・ザイレムには娘がいます〜。」
「娘?」
オリスたちが驚く。
「えぇ、その娘も魔術師のようでして〜、 娘にも少し探りを入れてみようと思います〜」
ラシャは話し続ける
「エルデールの娘は、2年前に嫁ぎました〜。 嫁いだ先も調べておきました〜」
ラシャは笑顔で続ける
「嫁いだ先は、モルグラスの貿易都市、レームです〜」
オリスたちはまた驚く。
「そこで、みなさんに頼みたいことがあります〜」
ラシャはオリスたちを見渡しながら言う
「私と一緒にレームに行ってくれませんか〜?」
「.....」
全員が黙ってしまう.....
「..... 行こう」
オリスが答える
「私もよ」
ユリアも答える
カリサは2人を交互に見て
「わかった...。私も一緒に行く。」
こうして、オリスたちはレームへと旅立つことになった....
人はなぜ争うのかと少年は問う 織隼人 @orihayato
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。人はなぜ争うのかと少年は問うの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます