エピローグ
ここはどこ──。
わたしは閉じ込められている。
とても寒くて暗い。
遠くから足音。
コツコツコツコツ。
階段を下りる音。
コツコツコツコツ。
二つの足音。
明るい光。
まぶしい。
人の声。
男の人と、女の人。
目の前には鉄格子。
鉄格子の向こう側に男の人と女の人。
『小説がかなり売れてらっしゃるようで、そろそろお体の方の、移植手術の準備をしてもよさそうですね』
『いえいえ、まだまだですわ。先生の代金はお高いから。とはいえ〈あれ〉の肌が綺麗なうちに、やってしまいたいのが正直な気持ちなのです。何とかお安くしてもらえないかしら』
『これは手厳しい。お嬢様に通常料金でご案内するわけないじゃありませんか。これでも十分、特別価格なのですよ──』
鉄格子の向こう側の男の人と女の人。
二人とも見たことある。
女の人の顔──見たことある。
女の人の顔は、私──。
男の人の顔も見たことある。
男の人は──お父さんの車を運転していた、運転手さん──。
闇に棲むモノ ほのぼの太郎 @honobonotaro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます