真実の愛を知った王子に悪役令嬢と呼ばれ婚約破棄。国外追放されたので隣国の力を借り祖国へ侵攻しました

神戸近区

1話完結です

私フラワー王国のエノコロ侯爵令嬢はこの国の王子であるローレル王子の婚約者であった。


二人は17歳でありフラワー王国立高等学校を卒業後したら結婚し王太子と王太子妃となる予定である。


そのために2人ともに勉強、運動、専用の教育、上級貴族との交流等遊ぶ間もなく忙しかった。


二人は上位貴族特有の政略結婚ではあるがお互い幼いころより知りどう見てもお似合いの二人であった。




卒業まで1年を切ったころフラワー国内が騒がしくなってきた。




何も起きなければいいが・・・とエノコロは思っていたがその後少しずつ二人は離れていく事となる。




身近な所では宰相が更迭された。元々実力ではなく家柄で選ばれる地位なので実務部門がしっかりしていたらそんなに問題は起こりえない事だけに何があったのかと思うが情報はなかった。




その辺りから王子の疲労の色が濃くなってきた。




次に軍事大国である”ペスティサイド帝国に接する辺境伯まで更迭・・・




フラワー国全体が嫌な予感を感じていた。




しかしその後数か月・・・卒業まで半年ぐらいの時に状態が好転する事が起こった。




ペスティサイド帝国のシアントラ第一王女が王立学校に編入してきたのである


表向きは両国の友好の為となっていたので国民は安心していた


”人質が居るのに攻撃はされない”だろうと。


護衛として20人、使用人10名ほど連れてきたが兵力としては皆無に等しい。


学校自体が王都にありフラワー王国の兵力の半分近くは王都に駐留し、残りは2つの国と接している各国境および国内治安維持のため各地に分散している




シアントラ王女自体は見た目も仕草も非常に美しくどちらかと言えば可愛らしく外に出て何もせずに風を感じるのが好きなふにゃっとしたエノコロとは真逆に見えた。




シアントラ王女は1週間もすると国の事を教えてもらうと称してローレル王子に接近しだした。ローレル王子は「婚約者がいるので二人きりにはなれない」と最初はそう言ってたのに・・・・・




数か月もするとシアントラ王女とローレル王子の二人でいる姿がよく見られた。


それと反比例してエノコロとローレル王子は会うことも・・・会話さえなくなっていった。




そして迎えた運命の卒業式。王立学園の卒業式後には国王も参加するパーティーがある。


そのパーティー会場でローレル王子が皆の前に立ち発言した


「パーティーの前に皆に伝えることがある」


そういい注目を集め


「楽しいことの前に断罪すべき者が居る・・・エノコロ!お前は王都で民衆向けに人気の劇中の意地悪な悪役令嬢のようにシアントラを虐めるようだな」




覚えのないこと、初めて呼び捨てにされて驚き固まっていると王子は続けて




「私という婚約者が居るのに王子と話すな、早く国に帰り私たちの結婚の時には祝いに来ていいぞ。とまで言ったと聞く」




「反論はないのか?」




「そんなことは言っておりません」


と答えたが聞いてくれない。




「もうよい!お前のような奴は国家間の問題になるので死罪・・・と言いたいが優しいシアントラ嬢がそこまで求めないというので国外追放とする。」




「私は真実の愛に目覚めた。真実の愛とは何が有っても相手の事を大切にすることだ」とシアントラの腰に手をまわしつつこちらを見た




エノコロの頭の中は真っ白になっていたが、すぐに目からは涙があふれていた。




どうやって自宅に戻ったのかは覚えていない。自宅に帰ると意識を失ったかのように眠ってしまった。


これは悪夢だよね・・・起きたら終わるよね・・・エノコロが目覚めた時残酷な現実が待っているだけであった。




エノコロは上位貴族であるローズ侯爵家の令嬢である。幼いころより家族が亡くなっても家の事を優先するように教わってきた。


何とか立ち上がると父に面会を求めた。すぐに許可が出たので向かった。


「失礼します・・・おとうさ・・・いえローズ侯爵。パーティでのことはお聞きでしょうか?」




「国王から聞いている。私は娘を信じてる。冤罪だと思っている。何かの勘違いだと・・・しかし国王からの命令が出た以上もう貴族としては従うしかないのだ。何が有ってもエノコロは私の子だ・・・だが侯爵家てして逆らうと謀反ともとられかねないし多くの人間が不幸になる。親として力不足の私を恨んでくれてもいい。その代わり元気で少しでも幸せをローデント国でつかんでほしい。」




「ろ・・・ローデント国ですか?」


「王より治安のいいローデント国に行くよう勧めろと言われた。今までのエノコロの努力は知っているからエノコロ自身の財産及び私の資産の一部分与とそれに係る税の免除も認めるらしいので持って行くようにと。


ローデント国のデグー侯爵が王と個人的な付き合いがあるらしい。紹介状ももらった。」


「何か違和感を感じるのだ追放する割に内容がな・・・あと家族であれど5年は一切の連絡を禁じられた。まあ他国に行き国外と頻繁にやり取りしてたら怪しまれるしな。とりあえず5年後にどうなったかは手紙が欲しい」




エノコロはそこからの準備、出発で考える間もなく国境まで来た。




国境で荷物の多さに検査の時間が長かった。




何事もなく無事にデグー侯爵にと会えたが・・・なぜかあった瞬間


「ちもしー」と言われた・・・




デグー侯爵領はデグー族が住み、デグー族は歌が上手で頭もよく身体能力も高かったが気温の変化には弱かった。


食物も豊富で皆優しく家も安全な場所に買えたので楽しい時間が過ぎ気が付けばもう5年である。ローズ侯爵に手紙を出した。




”私は皆優しくいつも素敵な歌が聞けてご飯のおいしいこの地で幸せに過ごしています。ただ結婚相手はまだ見つかりません。もう少し落ち着いたら探そうと思います”




1週間後に返事が来たのだが手紙ではなく人が来た。




「エノコロ様こちらが侯爵よりの手紙です。1つ相談がありますのでデグー侯爵を紹介いただけませんか?」


手紙を持ってきた人の雰囲気がローレル王子に似ていたのですぐには返事ができなかったがデグー侯爵に連絡すると今からでも構わないと言われたのですぐに訪問した。




「デグー侯爵こちらがローズ侯爵からの緊急連絡となっております」


少し分厚い書類を渡すと側近が刃物など含まれていないのを確認し読んだ


すぐにローデント国王にも相談することになったらしく私は家に戻り


手紙を持ってきた彼は宿へ向かった。使用人が居るけど若い男性を家に泊めることはできないからだ。




その後すぐにローデント王に呼び出され戦争になると言われた。




今フラワー王国は実質的にペスティサイド帝国に占領されそのままローデント国、その先の小さな国々狙っていると証拠付きで送られてきたそうだ。




証拠はローレル王子の名で書かれておりペスティサイド帝国は占領国は奴隷のように考えている。既に国境付近の人間は多数強引に連れていかれた。ローデント国も狙われている。フラワー国を開放していただけたら国民の安全を保障してくれたら国を譲渡でもすると。




ローデント国王は土地なんか増えたら仕事増えるし・・・我が国が危険なんで出兵は出来るがな・・・兵を出したらその代表が一時的にでも占領地のトップになる・・んだがみんな嫌がってな・・・


どこかに元フラワー国の人間で戦いができる人居ないかな?とこちらを見ていた。




「私の個人資産はすべてお渡ししますので協力・・『じゃあ我々が傭兵として契約しますか・・・今日印鑑はお持ちですか?こんな安くでは今しか無理ですよ』よろしくお願いいたします」




そうして形だけエノコロの私兵として侵攻が開始した。




エノコロは侯爵の娘として王妃候補として有事の際の兵の使い方を習っていた。


見た目に似合わず得意だったのだ。




快進撃と戦う前に降伏も多く簡単に戦争は終わった。




ペスティサイド帝国の強引な政策ををフラワー国民も現役も元兵士も嫌っていたのだ。進むたびに増える兵力。帝国兵が逃げると解放したエリアで兵士が増える・・・


補給も現地民からの寄付とローデント国からの豊富な物資がフラワー国を占領して気が大きくなってた帝国兵を撤退させた。


直ぐにローデント兵は不要となった旧フラワー国兵と義勇軍これで十分だった




そして戦後理由が分かった。


かなり昔より謎の薬品を使い大量にできた作物を安価でフラワー王国に輸出。


そこで外貨と信用を得て宰相と接触。都合のいい儲け話に騙された宰相に重要書類を渡せば借金帳消しの物資も融通すると。この時に気付かれなかったのが最悪だった。


その後同じように辺境伯にも接近。兵力を減らし最後は王子との婚姻で完全占拠の予定だった。




ところが宰相の行動が怪しいから辺境伯の行動まで見つけたが弱ったところに国王と王女が結婚しないと戦争するかも・・・と帝国に脅されていた


それだけならばまあ結婚で済むという話なのだが


シアントラ王女が本気でローレル王子に一目惚れしローレル王と結婚後邪魔になるとエノコロの殺害を計画。しかしフラワー王国内での計画と自分の勝利を確信しての杜撰な計画は王国側に気付かれていた。




目をそらすため王子はシアントラ王女に近付き恋人のように扱い、あの邪魔者は私がいいように処分すると約束して行ったのだった。




結局真実の愛とはエノコロに2度と会えなくなっても生きていてほしいということだったのだ。




真実を知ったエノコロはローレル王子と国王の無事を確認。面会した。


国王からは謝罪と何度も国外追放でいいのか確認した。毎回返事は


「エノコロ令嬢の命以上に大切なものはこの世にありませんと」


言われたと・・・少し恥ずかしかった。




王子はもう「もう私は王子ではないではない」と全責任は国王と私だ


「エノコロ令嬢にはつらい思いをさせてしまい申し訳ない」


としか言わなかった。今回は王家が責任を取らなければならないと




そしてエノコロ王女が誕生した。国民が解放のため戦地に出て大勝利を収めたエノコロを勝利の女神と呼び、この混乱した国を素早くをまとめる象徴として王女となった。


ペスティサイドとの国境付近には要塞が作られ兵力も増やした。


ローデント国にもお礼と死傷者への見舞金を渡すと


「貰い過ぎだから家は返すね。時々遊びに来てくれたらそれでいいよ」


ローデント国王はエノコロを尊敬していた。同じことはできないと。




元国王と王子は幽閉された。本人たちは死罪を望んだがそんなことしてたら貴族はいなくなると反対された。直接ではなく監督責任のみでは幽閉も有限となった。




元王子は王女から結婚してほしいと言われ


「あんな事をした私が結婚など・・・身分も違い過ぎます。申し訳なかった」と土下座した。


女性からの結婚の申し込みで毛でも珍しいのにエノコロは強くなってた。


「あなたからは真実の愛を頂きました。あなたとこのまま一緒に居れるなら結婚など必要ありません」




その後の記録ではエノコロもローレルも未婚で亡くなったことになっているが


王家に血を継いだ子供が跡を継いでいると書かれている。




終わり

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真実の愛を知った王子に悪役令嬢と呼ばれ婚約破棄。国外追放されたので隣国の力を借り祖国へ侵攻しました 神戸近区 @koubetikaku

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