具体例

「グァァァァァ!!!!!!」

ビルよりも背丈の高い怪物。


頭の頂上には木のような緑色の葉っぱが生えている。


まさか、怪物もおしゃれをしているのだろうか…


怪獣のような、その怪物から離れようと必死になって逃げる雑踏の中。

ただそこに佇む男が一人。


青いブリースケースを片手に持ち、俺はスーツのネクタイを締め上げた。


「に、逃げろぉぉぉぉ!!!!!」


ここは俺が救うしか無いみたいだな。


しばらくして逃げ惑う人々が丁度、居なくなったときに俺は、手首の腕時計を確認した。


60.00.00と表示されたその時計。


俺はブリースケースの持ち手についたスイッチを押し、真横に投げる。


ブリースケースの上部からは、ジェットが現れまるで戦闘機のように、空を舞う。


俺は時計の本体に取り付けられたツマミを回すと、時計が59.59.26と、動き出した。


短かった髪がどんどんと伸びながら青色に染まりあげられ、先程まで板のように真っ平らだった胸が、膨れ上がる。


大体、パイナップル位にまで膨れ上がったところで止まると、俺…いや、私は潰れた喉仏から、合図を出す。


「着装!!!!」


ピチピチのスーツが破裂し、白い肌があらわになる。


大きな胸と、亀裂の入った股間。

先程までの私の身体とは全く違う作りのその身体。


時計に反射して写るその顔は、俺が、最も馴染みのある顔だった。


そして、上空を舞っていたブリースケースが爆発し、いくつかの部品に分かれた。


そのブリースケース達は、私の胸や、腰部などを包み込み、次に腿や肩も包んだ。


最後に、頭にヘアバンドのように部品が装着される。


足、胸に、ジェットと、鉄の翼。

私は手を真上に掲げると、手のひらの中にスッポリと槍のような鉄の棒が降ってきた。


「行きますよぉぉぉ!!!!!」


槍の先から青色の収束したエネルギーが火のように吹き出すと、私は、誰も居なくなった道路を走り出し、ジャンプ!!!


翼を広げて、怪物…いや、木の神に向かって飛び出した。






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TSヒーロー系の原案考えたので誰か代わりに執筆してくれぇぇぇぇ 最悪な贈り物 @Worstgift37564

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