過去と未来が入り混じる、異色の異世界譚

日本の戦国時代を思わせる漢字の登場人物や城、しかしこれは異世界に戦国武士が迷い込んだわけではない。戦国時代そのものがすっぽり異世界に移動した感じと言えばいいのか。

敵は得体の知れない『ク海』と『仇花』と、それが生み出す『アダケモノ』という石の犬やら大ムカデの化け物、時にその姿は数十、数百メートルにも及ぶほどのデカさと強靭さを示す。

敵は、こちらの怒りや殺意などの感情を読みとって攻めてくる。

対して味方についているのは、懐剣や槍、鎧や盾、お椀などの武器たち。それぞれに宿る精霊が人格と名前を持ち、人間を守ってくれる。

武器に付けられた名前は、ヨーロッパ人名語源辞典と、AIを駆使して作者が考え出したエスペラント語。これだけでも作者の周到な準備と情熱が感じられる。

更に未来型の艦船、魔法陣、飛び道具なんでも有り。戦闘シーンもハラハラドキドキ。

全てが唯一無二、他にはない斬新な設定で読む者の好奇心を刺激する。

登場人物(精霊)のキャラクターも独特で面白く、壮大なエンターテイメントとして楽しめる作品です。是非読んでみてください!