君想う・君思う(解説文あり)
彼女がと
大学で声を掛けられときめいた隣に
どうだろう勧める君のその笑顔信頼されてるだから苦しい
とりあえず少し二人で話してと笑顔の君は彼女のもとに
泣かすなよ大事な友だち念を押す既に泣きそう我慢するけど
ごめんなさいいきなりごめんほぼ同時でものひと言それだけ別に
君が好きあいつを好きな君を好きなんでそんなに好きと言えるの?
見てたから逸らさぬ瞳君が好き知っててほしい僕の気持ちも
大丈夫あいつを想う君が好き僕の思いもどうか許して
よかったと笑うその顔好きだなとやっぱり想うけど大丈夫
彼が好きそれは今でも変わらないけれど隣は優しい君が
※こちらは、初回の短歌の歴史的仮名遣いを崩した表記に直したものとなります。
こちらもお読みくださいました皆様に解説文と言うか、少しだけ補足をさせて頂きます。
まず、初首。二人だけではなく高校時代の仲間達との飲み会、みたいなものです。
お酒に強い主人公と、そうではない幼馴染み。
近所住まい、実家住まい、同じ大学です。
飲み会ではだいたいいつもこうなるので、周囲も任せたよ、みたいな感じです。
二首で紹介されたのは、幼馴染みと大学で仲よくなった友だちです。主人公のことをずっと見ていたのですね。
幼馴染みの彼女も大学で知り合った子です。
主人公と幼馴染みの彼女は、仲はよいほうです。知り合いよりも親しいくらい。時間があえばお昼を一緒に、の間柄です。
三、四、五首は、友だちを大切な幼馴染み(主人公)に紹介して、泣かすなよと念を押して彼女のもとに向かう幼馴染みです。
六首は、謝り合う二人。ですが……。
七、八、九首は、幼馴染みの友だちからの告白です。
十首は、とりあえずお友だちから、と幼馴染みに二人揃って報告をします。
もちろん、すぐに……などとはなりません。
ですが、主人公の想いを理解した上で思いを伝えてくれた人ではあります。
最終首、十一首。
隣にいる時間は、少しずつ増えていくかも知れません。
短歌『想う』ご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
短歌『想ふ』 豆ははこ @mahako
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