時雨ノ誓

名誉か、約束か——。
源平の世に生きた武士・荒木定景は、戦場で親友との約束を選び、その子を守るため戦線を離脱した。
しかしその戦には、寺院の野望と狂気の剣士が潜んでいた。
妖刀を操る武将・佐伯朝嗣、そして寺院の闇を操る覚意。
彼らの企みにより、親友・葦名経久は非業の死を遂げる。
今、定景は名誉を捨てた代償として背負った約束と、魂の奥底に燃える復讐心の間で揺れ動く。
しかし、成長していく葦名の遺児・千弘の姿に、武士の真の道を見出していく。
血で血を洗う戦いの果てに、二人は新たな誓いを立てる——。
この世の闇を照らし出し、真の武士道を守り通すと。
時雨降る戦場で交わされた約束が、やがて希望の光となって暁を照らす。
魂を揺さぶる、本格時代劇活劇。