第2話
王の誕生。
それは、一種の不平等がもたらされる瞬間に他ならなかった。
1番は中原の覇者として名を馳せた世襲貴族であった。
王国内でも最大と言われる所領を安堵され、税、軍、その他、王国を支えてきた自負がある。
王国すべての貴族の中でも、最も王に近いものと噂されてきた。
しかしどうだ。
神託、その国事の代替たる籤がすべてを変えた。
あんな、どこの馬の骨とも思えぬ若造に。
この王国の未来を委ねることになるとは。
私であったら。
間違いなく、国を大きくできようものを。
そうそれは戦争である。
この王国は狭い。それこそ、1番のような覇気溢れる人間には。
足るということを知らないのだ。
そのための準備もしてきた。1番の所領では、人口調査が行われ、統計が取られ、そして若者はすべて軍役を担っていた。
ただの期限付き軍役ではない。
軍役後は予備軍としての招集義務を持つ。
ただ、軍役を過ぎたものは、税を軽減される。
これが良かった。
妻、母子を労務に充て、若者たちは軍役につく。
そして、強力な兵へと練り上げられる。
過酷な訓練を通して若者たちは、古強者となり、そして同じ枕を並べたものとしての連帯が生まれる。
中原に1番領ありとされる所以もここにあった。
なればこそ、王足り得るのは自分であったのに。
ほぞをかんだ。
1番は見る、王のかんばせを。
覇王たるか。
暗愚に終わるか。
いずれにしても、このままにはしておくまいと。
今は頭を垂れるのみであった。
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ラブコメ作品、「僕をフッた美少女がなぜかついてくる」
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王様ゲーム 妄想 殿下 @zepherfalcon
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