宝石に孕む呪い
しき
第1話
寂れた神社の近くで友人とのかくれんぼをし遊んでいた私は偶然にも草木に隠された小さな洞穴を見つけた。
怖いもの知らずの私はちょうど良い隠れ場所だと考えてその洞穴に入って行った。
入り口は狭かったが奥に通路が続いていた。好奇心旺盛な子供の私は洞穴の奥が気になり、かくれんぼの途中ということも忘れてどんどんとその通路を進んだ。
最奥で私を待っていたの腹の裂けた腐乱死体だった。乳房から
しかし、それ以上に私の気を引いたのはまるで裂けた女の腹が出てきたかのように散らばっている無数の赤い宝石だった。それは今までに見たどの様な物よりも美しく見え、私の心を掴んだ。良くみればその赤い宝石は裂けた腹からだけでなく眼窩や口、女性器と女の至る所に見えた。
不思議な事に私は段々と恐怖の対象であったたその腐乱死体がとても神聖な女神の様に思えてきた。
私はこの洞穴と腐乱死体を誰にも離さずに自分だけの秘密にし、私だけの大切な場所とし何度も女神様に会いに行った。
不思議なことに美しい赤い宝石は訪れる度に数が増えていた。私は女神様が歓迎してくれているのだと思った。
何度目かの訪問の時だった。赤い宝石のいくつかにひびが入ったのが見られた。顔を近づけて良くみてると、そこからミミズを黒塗りした様な生き物が蠢き、這い出ていた。
それを見て私は理解した。あぁ、これは卵だったのだと。
親愛なる貴方、この綺麗な赤い宝石をあしらったペンダントを受け取ってください。
宝石に孕む呪い しき @7TUYA
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