もし、投げ出したくなったら

星咲 紗和(ほしざき さわ)

本編

仕事や日常生活の中で、私には一つの癖がある。それは、物事を細かく考えすぎることだ。少しのことも気にして、あれこれ考えてしまうのだが、その反面、すぐに「投げ出したいな」と感じる瞬間が訪れる。頭の中で考え込むことが多い分、心がいっぱいになってしまうときがあるのだ。しんどい、疲れた、もういいかな、そんな気持ちが顔を出す瞬間も珍しくない。


ある日のこと。朝からやるべきことに追われ、気づけば一日が半分以上過ぎていた。昼食をとる頃には、すでに疲れ果て、「もう今日は帰りたいな」とぼんやり思ってしまっている自分がいた。そんなことを考えると、一層、身体が重く感じられる。それでも、なんとか最後までやり切るために、自分なりの工夫を重ねていく。


例えば、細かくタスクを区切ること。大きな仕事や長いタスクは、いくつかの小さなゴールに分けて取り組むと少しずつ進んでいる感じが得られ、気持ちが楽になる。そして、一つ一つのゴールをクリアするたびに、「ここまできた」と自分を少し褒めてみる。これを繰り返すことで、少しずつ、ゴールに向かって進んでいると感じられ、なんとか投げ出さずに済むことが増えていく。


それでも、どうしても気持ちが折れそうになる日もある。そんなときは、自分がこの仕事やタスクに取り組む意味を考えてみる。これは自分が選んだ道だし、これを達成することで得られる達成感や成長があるかもしれないと、なるべく前向きに捉えるようにしている。それでも、考えすぎる自分が顔を出し、「本当にこの道でいいのか?」と疑問が浮かぶこともある。それでも、「今はここで全力を尽くすことが、自分の成長に繋がるはずだ」と信じてみる。


もちろん、何度も負けてしまう日もある。頑張っても途中で帰ってしまったり、計画を途中で投げ出してしまったりすることもある。それでも、そういった日があったからこそ、「次はどうすれば続けられるだろうか?」と考えるようになった。そして、少しずつでも、投げ出すことなくやり遂げる日を増やしていきたいと思うようになった。


毎日が挑戦で、毎日が試練のように感じることもある。だけど、少しでも「昨日よりは頑張れた」と思える日が増えると、それが自分の力になっていく。投げ出したいと感じたときこそ、立ち止まって、自分がここまで来た道のりを振り返り、前に進むための力を見つけていく。そんな小さな挑戦を積み重ねながら、今日もまた、最後までやり遂げられるように、私なりの工夫を続けていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

もし、投げ出したくなったら 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ