『聞き耳屋』それは、他人様が話していることに聞き耳を立て、商品とする者たち。普通の人では気付かない存在の『聞き耳屋』を認識する主人公。『聞き耳屋』との接触もあって、主人公は友人の窮地を知る。そして、その友人に対して動くことは、自分の過去と向き合い前に進むことでもあった。言葉の大切さ。人との繋がりの尊さ。それらを教えてくれる物語です。主人公が一体何を『聞く』ことになるのか、その目で確かめてほしい。
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本当だ。アルバイトに行くって言っている。読み進めていくうちにいつの間にか文章に呑み込まれていて、気が付けば物語が終わりの方へ。最初の一話に戻ってもう一度再確認すると、「聞き耳」だったのだ、と思いました。物語の展開が素晴らしく、共感を得ることが多いです。いつか自分もこの事件に巻き込まれるかもしれない、他人ごとではない日常が潜んでいる。探偵でも刑事でもない、普通の人のようでそうでもない。不思議な人物を描いた「聞き耳屋」お薦めです。