【創作コント】神様

Danzig

第1話

ショートコント「神様」


(古い神社に到着した人)


人間:あった・・・ようやく辿り着いたぞ

人間:辿り着いた人間の願いを聞いてくれるという幻(まぼろし)の神社・・・

人間:よし、じゃぁ、早速拝んでみよう・・・


パンパン(柏手を打つ)


神様:ヨバレ・・テ、 トビデ・・テ ジャ・・ジャジャ・・ジャジャメン(じゃじゃ麺)


人間:なんか胡散臭い人が出て来たな・・・

人間:誰ですか、あなたは


神様:ワタシ ハ カミサマ デス(私は神様です)

神様:イマ ニホンゴ ベンキョウ チュウデス(今、日本語勉強中です)


人間:なんで、日本の神社に外国の神様がいるんだよ


神様:ニホンノ カミ ハ シニマシタ(日本の神は死にました)


人間:いろんなとこから怒られるだろ、それ


神様:Oh ソーリー(Sorry)

神様:イナクナッテ シマイ マシタ(居なくなってしまいました)


人間:そうなんだ


神様:サセン サレマシタ(左遷されました)


人間:左遷? 神様の世界もそういうのあるんだ・・・


神様:ソレデ ワタシ ガ カワリニ キマシタ(それで、私が代わりに来ました)


人間:神様の世界ってなんか派遣社員みたいだな


神様:デハ アラタメテ(では、あらためて)

神様:ヨバレ テ トビデ テ ジャジャジャジャメン(呼ばれて、飛び出て、じゃじゃじゃじゃ麺)


人間:なんだよ、その「じゃじゃ麺」てのは「ジャジャジャジャん」だろ?


神様:ニホン ノ カミサマ ハ ソウ トウジョウ スルト キキ マシタ(日本の神様はそう登場すると聞きました)


人間:それは神様じゃなくて、魔法使いじゃないの?

人間:「ハクション大魔王」でしょ? しかも古っ!


神様:Oh ゴメン ナサイ(ごめんなさい)

神様:イロイロ ジョウホウ ガ チガッテ イマス(いろいろ情報が違っています)


人間:どこで聞いた情報なんだよ・・・


神様:ニホン ノ アニメーション オモシロイ デスネ(日本のアニメーション面白いですね)


人間:アニメ? 外国の神様も日本のアニメ見てるの?

人間:ってか、あなた本当に神様?


神様:ソウデス(そうです)


人間:そうなんだ・・・


(少しの間)


神様:トコロデ(ところで)


人間:なんですか?


神様:アナタ ハ カミヲ シンジ マスカ?(あなたは神を信じますか?)


人間:なんか急に胡散(うさん)臭くなってきたな

人間:でも、こうやって目の前にいるんだから、信じるしかないでしょ


神様:oh ソウデスカ (そうですか)

神様:チョロイ デスネ (チョロいですね)


人間:何? チョロい?


神様:シンジテ モラエタ トキニ ツカウ コトバ ダト キキマシタ(信じて貰えた時に使う言葉だと聞きました)


人間:誰だよ、そんな事教えたの


神様:チガッテ イマスカ?(違っていますか?)


人間:違うよ、大丈夫か


神様:アナタ ハ サイショ ノ カネヅル デスノデ(あなたは最初の金づるですので))


人間:何? 金づる?


神様:Yes!

神様:Believer(ビリーバー)ノ コトヲ ニホン デハ カネヅル ト ヨブ ト キキマシタ(の事を日本では金づると呼ぶと聞きました)


人間:誰から聞いたんだよ、そんな事。 Believer(ビリーバー)って、信者(しんじゃ)でしょ!

人間:他の人に言ったら怒られるからね、それ。


神様:oh ソウデシタカ(そうでしたか)

神様:イロイロ ジョウホウ ガ チガッテ イマス(いろいろ情報が違っています)


人間:だから、誰に教えてもらったんだよ・・・ったく


神様:アナタ ハ サイショ ノ シンジャ デスノデ (あなたは最初の信者ですので)


人間:まだ、あなたの信者って訳じゃないんだけど・・・

人間:まぁ、いいや、それで?


神様:アナタ ニハ トクベツ ニ (あなたには特別に)

神様:ネガイ ヲ ヒトツ キイテ イタダキ マス(願いを一つ聞いていただきます)


人間:何で俺が願いを聞かなきゃいけないんだよ、反対だろ?

神様:oh ハンタイ デシタカ(反対でしたか)


人間:そう、反対


神様:Oh ソーリー(Sorry)

神様:ネガイ ヲ ヒトツ キイテ ゴチソウサマデス(願いを一つ聞いて、ご馳走様です)


人間:逆って、そっちじゃないよ、

人間:確かに「頂きます」と「ご馳走様」は反対の言葉だけど、この場合は「ご馳走様」じゃないよ


神様:Oh ニホンゴ ムズカシイ デスネ(日本語難しいですね)


人間:そこは、「ご馳走様」じゃなくて、「差し上げます」


神様:サシチガエマス(刺し違えます)


人間:怖いな

人間:どうして俺が神様と刺し違えなきゃいけないんだよ。


神様:チガイマシタカ(違いましたか)


人間:違うよ、刺し違えるというと殺し合いになっちゃうからね。


神様:Oh、ニホン ハ コワイ トコロ デスネ(日本は怖いところですね)


人間:だから、違うって言ってるだろ、

人間:「差し上げます」


神様:サシオサエマス(差し押さえます)


人間:何を差し押さえるんだよ!


神様:what? 

神様:チガイマシタカ?(違いましたか?)


人間:全然違うから


神様:Oh ソーリー(Sorry)


人間:「差し上げます」


神様:サシ アゲ マス


人間:そうそう「差し上げます」ね

人間:「あなたの願いを聞いて差し上げます」


神様:アリガトウゴザイマス


人間:俺じゃなくて、あんたが言うんだよ

人間:神様が願いを聞いてくれるんだろ?


神様:Yas、Yas、ソウデスネ。

神様:アナタ ノ ネガイ ヲ キイテ サシアゲマス(あなたの願いを聞いて差し上げます)


人間:そうそう


神様:デハ アナタ ノ ネガイ ヲ キカセテ クダサイ(では、あなたの願いを聞かせて下さい)


人間:なんでもいいの?


神様:ナンデモ カマイマセン「(何でも構いません)


人間:ホントに?


神様:カミサマ ウソ ツカナイ(神様嘘つかない)


人間:でも、やっぱりなんか恥ずかしいな


神様:ハハハ

神様:ハズカシク テモ イワナイト キケマセンヨ(恥ずかしくても言わないと聞けませんよ)


人間:でも、なぁ・・・


神様:ダイジョブ デス

神様:ココニハ ワタシト アナタ シカ イマセン(ここには私とあなたしか居ません)

神様:ユウキヲ ダシテ ウチアケテ ゴメンクダサイ(勇気をだして打ち明けて、ごめんください)


人間:「御覧なさい」だろ?


神様:Oh ソーリー(Sorry)

神様:「神はあなたの声を待っています。恐れることはありません。」

神様:「どんなに小さなことでも、神は聞いてくださいます。どうか、心を開いてください。」


人間:何でそこだけ言葉が流暢(りゅうちょう)なんだよ!

人間:まるで教会の懺悔室(ざんげしつ)みたいじゃないか

人間:日本の神様だろ?


神様:Oh ソウデシタ ツイ クセデ(そうでした、ついクセで)


人間:ったく・・・本当に何でも聞いてくれるんだね?


神様:Yes!


人間:そうか・・・・

人間:じゃぁ、「裸エプロンのメイドが欲しい!」


神様:ホウ・・・裸エプロンのメイドですか・・・で、人数は?


人間:うーん、5人くらい


神様:欲張りですね・・・で、顔は?


人間:ロりから熟女まで


神様:なるほど、スタイルは?


人間:「つるぺた」から「巨乳」まで


神様:ハハハ アナタハ トンダ ヘンタイ デスネ(あなたは、とんだ変態ですね)


人間:だから言いたく無かったんだよ

人間:でもまぁ、何言われても、願いを聞いてくれるんならいいや


神様:アナタ ノ ネガイ ハ ワカリ マシタ(あなたの願いは分かりました。)

神様:デハ・・・


(身構える人間)


神様:キヲツケテ オカエリ クダサイ(気を付けてお帰り下さい)


人間:待てぇい!


神様:what? 

神様:ドウカシマシタカ?(どうかしましたか?)


人間:「どうかしましたか」じゃないよ

人間:願いを聞いてくれるんろ?


神様:Yas、キキマスヨ?(聞きますよ。)


人間:じゃぁ、ちゃんと聞いてくれよ


神様:ダカラ サッキ キキマシタヨ?(だから、さっき聞きましたよ?)


人間:いや、聞くだけじゃなくて叶えてくれよ


神様:NO、NO、NO

神様:サイショ カラ カナエル トハ イッテ イマセンネ(最初から叶えるとは言っていませんね)


人間:そんな

人間:何でこんな時だけ、日本語が正確なんだよ、詐欺じゃねぇか!


神様:じゃぁ、そういう事で!

神様:マタ キテ クダサイ(また来てください)


人間:おい、ちょ・・まっ・・


神様:バイバーイ♪


(神様消える)


人間:おい!・・・・

人間:あぁーあ、消えちまいやがった・・・

人間:ったく、これじゃ、言わされ損じゃないか!

人間:もう二度と来るか、こんな神社!




終わり






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