003-Ⅱ森の王国騎士団
建物が見え意識が遠のいた時に聞こえたあの会話は決してどうにか助かりたくて幻聴を聞いていたわけではなったらしい。
そんなことよりメルこれは今どんな状況だ?
“お目覚めになられてよかったですソウ様がこちらに着いてから3日詳しく言いますと3日と14時間23分…”
“そこまで詳しくなくていいんだが……助けてくれた人に感謝だな!!僕これ身体動かすのがしんどいのはなんで?”
メルと脳内で会話をしていると扉の向こう側から足音が聞こえ少し警戒したがそれは杞憂であった。
意識を失っていた人が寝ている部屋に入るとは思えない勢いのある扉の開け方をして屈強なおっさんが現れた時は身構えたが体格に似合わぬ笑顔で声をかけてきたのだ。
「少年目が覚めたか!!家の目の前に子供が歩いてきたのが窓から見えてな!!慌てて来てみれば急に倒れたから焦ったぞ!!」
「助けていただいてありがとうございます」
「で、お前さん名前はなんだ何故こんな国境の森に来ておる」
「名前はソウです」
この人に事の経緯を説明しても良いのだろうか少し誤魔化すべきか…?
と、なると僕は何故捨てられていたのかを説明しなきゃいけないが記憶の残っている限りでは元々両親の顔もほとんど覚えていないくらい前にしか会っていないし人一人居ないような空間でただただ息をしているだけみたいな生活だったとしか言えない。
僕の転生体は生まれてから悲惨な人生すぎやしないだろうか……
“ソウ様こちらの方々には話してもよろしいかと推測致します”
“そうなのか?僕を棄てた両親の手下の可能性は無いのか?”
“……私を疑うんですかまぁ心の中で鑑定と唱えてみてください”
メルはため息をついた様な声で鑑定を勧めてきた。
“鑑定”
“メルの日記が
“【鑑定】を獲得しました――”
【鑑定】Lv1
対象から簡単な情報が読み取ることが可能
レベルが上がる毎に読み取る事が可能な情報量が増える
鑑定可能な対象:人族(自分より魔力量が少ない者)・薬草
“メルってスキルの取得もできるの!?”
“必ず出来る訳ではございません現時点で最も必要なスキルなので取得致しました”
“流石になんでも獲得出来るなんて思ってないよ~”
“ソウ様【鑑定】を使用しますか”
もちろんYesだ。そして僕は同じ空間に居る人の鑑定をすべてした。
アルベルト・ロウガ
種族 ヒューマン Lv 56
職業 ソウガルド王国騎士団副団長
HP 506/506
MP 10/10
心情 心配
“メル?こんなに凄そうな人でもMP10しかないの?”
“この世界では魔力を持つ者と持たざる者がおりますこの方は恐らく腰に下げている剣のみの戦闘スタイルと思われます”
人を鑑定する時は自分より上の魔力量の人には使えないと言うせいで今の僕にはこの人しか鑑定する事が出来なかったがどこかの国の騎士団ならばきっと大丈夫だと信じたいものだ。
「旦那様この方鑑定しましたところまだ3歳です質問をしてもまともに受け答え出来るか……」
いかにも執事の見た目をした人が僕を憐れむように見ながらロウガという人に耳打ちをすると周りがざわついたので気がついたら森に居たことをそれとなく伝えるとロウガという人は泣きながら「お前はうちの子だー-」と言っていたし周りの使用人らしき人も涙を拭っていた。
“ソウ様うまくいきましたねこのまま鍛錬がある程度できるまではお世話になりましょう”
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メルの日記~世界の歩き方ガイドを手に入れたので愉しく生きることにしました~ ぜぅ @zelu_aka
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