12/25 メリークリスマス!

 クリスマスかあ。

 僕は小さいころからサンタクロース否定派だったわけだが、なにかしらよいプレゼントをもらえると思うとワクワクする。

 朝むくりと起きてくると、机の上になにか置かれていた。封筒である。プレゼントだ。こんな凝ったことしなくても手渡しでいいのに。


 僕は封筒を開けた。中からはたいへん無難に、図書カード5000円分が出てきた。よし、気になっていた漫画の一巻を買ってみよう。面白かったら続きも買おう。


 着替えて茶の間に降りていくと、母さんがなにやらニコニコしていた。父さんもニコニコしているし清少納言もニコニコしている。清少納言は百人一首の学術文庫と枕草子のいろんな現代語訳を抱えていた。


「おはよう。どしたのみんなニコニコして。あ、図書カードありがとう」


「メリークリスマス!」

 父さんが満面の笑みで言う。


「あ、ああ……メリークリスマス……」


 朝ごはんはきのうのチキンに詰められていた赤飯であった。肉汁を吸ってとてもおいしい。


「さて、大掃除のフォーメーションについて会議しましょうか」


「珠子ちゃん、まだクリスマスだよ!?」


「いまのうちに予定立てないと宗介さん動かないじゃないですか。今年は戦力も増えて大規模に大掃除ができますよ!!!!」


「日本人らしくていいじゃん」


 清少納言がぼやーっとそんなことを言った。それでいいのかもしれない。(これでおわりです。よいクリスマスを!)

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アドベントカレンダー2024 with清少納言 金澤流都 @kanezya

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