語りの工夫が冴える一作!

怪談、あるいはホラーがストーリーとして語られるとき、問題になることの一つが"語り手"の立ち位置であると思います。すなわち、一人称かつ最後に襲われたところで終わっていると、じゃあ誰がこの話を他の人に伝えたんだよ、となってしまうアレです。この作品は、趣向を凝らした物語の形式によってその課題を見事にクリアし、それによって一人称の語りで書けるストーリーの枠もあっさりと踏み越えているところが大変魅力的だと感じました。楽しませていただきありがとうございましたm(_ _)m