第4話 兵士になればモテる……?

 無事兵士になった。所属することになった所は男しかいなかった。


 男だらけのむさ苦しい職場で、僕は日々の任務をこなす事になってしまった。


 とはいっても、新米の僕が任せられるのは城門の検閲のメモ係だけど……この国は観光地だから旅人の女性にさり気なく声をかけることはできるよね。


 そう期待したが、個室で兵士が報告したのをまとめるデスクワークだった。


 なんてこった。全くナンパできないじゃないか。


 そう思ったが、金を溜めて娼館に行けばいいかという目標を目指して一生懸命頑張った。


 しかし、その半ば、強大な敵国に侵略され、国が滅んでしまった。


 有力な人材は捕虜にされてしまい、王族は皆殺し。

 

 僕は幸運にも逃げ出す事に成功した。


 溜め込んだ給料を持って。 



「はぁはぁ……」


 呼吸もかすれてきた。もうどれくらい走ったのだろう。


 無我夢中で走ってきたから、何も食べていないし飲んでもいない。


 あぁ、今にもぶっ倒れそうになった時、水が流れる音が聞こえてきた。


(川だ!)


 僕は無我夢中で音のする方へ向かうと、川が流れていた。


「ひゃっほーー!!」


 僕は金貨の入った麻袋を置いて、川に飛び込んだ。


 全身に命が吹き込まれる感覚がした。


「あぁ、生き返……」

「動くな」


 水浴びを楽しんでいた時、背後から声が聞こえた。


 盗賊――僕は瞬時に思い、ゆっくりと振り返った。


「大人しくしな。そしたら命だけは逃してあげる」


 眼帯の付けたポニーテールの盗賊が麻袋を持ってニヤリと笑った。


 喋りは荒っぽいが、汚れたシャツから盛り上がる双山そうざんは間違いない。


 女盗賊だ。

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異世界カノジョ〜前世で彼女できなかったから今度こそ彼女を作ります〜 和泉歌夜(いづみかや) @mayonakanouta

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