第51話 時の帝王
塁と梨花は、数々の時代を旅してきたが、いよいよ最終決戦が近づいていた。彼らの前に立ちはだかるのは、この時空を乱し、自らの野望を成し遂げようとするラスボス――「時の帝王」だ。時の帝王は、過去と未来を操る力を持ち、全時代を自らの支配下に置こうとしていた。
決戦前夜
塁と梨花は、最終決戦を前にして、時の帝王のいる異次元へと続く道を進んでいた。彼らは、これまでの戦いや出会いを振り返り、決意を新たにする。梨花は、これまで様々な時代で料理を通じて人々を助けてきたが、今や彼女も戦士として共に戦う覚悟を固めていた。
「塁、私たちでこの時代を救いましょう。時の帝王を倒して、みんなの未来を守るのよ」
塁は梨花の言葉に頷き、手に持つ猛虎の駒を握りしめた。駒の力が身体中に流れ、かつてない力がみなぎってくるのを感じた。
「もちろんだ、梨花。俺たちならきっとやれる」
ついに、塁と梨花は時の帝王が待つ時空の中心へとたどり着いた。目の前には、巨大な玉座に座る時の帝王が、冷ややかな笑みを浮かべて彼らを見下ろしている。
「よくぞここまで来たな、無力な者どもよ。だが、この世界はすでに私のものだ。すべての時代は、私が支配することになる」
時の帝王は、手を振りかざすと、過去の戦士たちや怪物たちを召喚し、塁と梨花に襲いかかってきた。これまで出会った仲間たちの面影が浮かぶ戦士たちと対峙する中、塁は胸に迫る感情を抑えながら剣を振るい、戦いを続けた。
「帝王、俺たちは簡単に諦めない!」
塁は、鉄将、奔車、注人、そして猛虎の駒の力を全て解放し、一気に周囲の敵をなぎ倒していった。駒の力が融合し、塁の姿は光に包まれ、圧倒的な力を手に入れた。
一方、梨花もまた、自らの料理による「癒しの力」を発揮し、塁の傷を瞬時に癒しながら、同時に時の帝王の攻撃を巧みにかわしていった。
「あなたの支配する世界なんて、誰も望んでいないわ!」と、梨花は叫んだ。
時の帝王は怒り狂い、巨大な時空の剣を召喚して襲いかかってきた。彼の力は圧倒的で、時空そのものを歪め、周囲の景色が次々に変化していった。戦国、室町、明治、江戸…さまざまな時代が入り混じり、まるで世界が崩壊していくようだった。
「これが、私の力だ!すべての時代を支配する力!」
しかし、塁は諦めなかった。駒たちの力を全て一つに集中し、最強の一撃を放つ準備を始めた。時の帝王の攻撃を受けながらも、塁は雄叫びを上げ、決死の覚悟で剣を振りかざした。
「これで終わりだ、帝王!」
一閃――塁の剣が光をまとい、時の帝王の時空の剣を砕いた。その瞬間、帝王は崩れ落ちていった。
「これが、私の力だ!すべての時代を支配する力!」
倒れた時の帝王を見下ろし、塁は深く息を吐いた。梨花が塁のもとに駆け寄り、二人はお互いの健闘を称え合った。
「終わったね、塁」
「ああ…これで、すべての時代が救われた」
そして、駒たちの力もまた時空の彼方へと消え去り、塁と梨花は元の時代へと戻ることができた。二人はこれまでの旅を振り返り、新たな未来へと歩み始めることを決意した。
「これからは、平和な時代で生きていこう」
「そうね、塁。料理もまだまだ極めたいわ」
こうして、二人は戦いの旅を終え、それぞれの新たな人生を切り開いていくのだった。
料理の変人 鷹山トシキ @1982
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